11.店を離れると客が近づき、急いで引き返すと客が逃げる
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(11)」の、
「展示会ブースにおいても、リアルショップと同様に、入りやすいブースと入りにくいブースがある」というお話です。
※ブースはスタッフの「なわばり」なので、スタッフがブースから離れてお茶を飲んでいると、「なわばり」が解除されるためにお客様は近づきやすくなる。
大勢のお客様でごった返す展示会場においても、人気のブースと不人気のブースが生まれることに誰もが気づいています。
一般に、規模が大きくてメイン通路に面したブースは、そうでないブースよりも大勢のお客様を引きつけています。
それは、大きなブースは、大々的な商品の紹介ディスプレイが用意されていたり、映像や音声を使ったイベントなどが行われていたりして、魅力的な要素が多く、集客パワーが強いからだと考えられています。
一方、メイン通路から離れた小さいブースには、なかなかお客様が立ち寄りません。
大きなブースも小さなブースも、それぞれ同じように企業のスタッフ(あるいはイベントコンパニオン)が熱心にパンフレットや記念品などを手渡しながら呼びかけています。
すると、大きなブースには次々にお客様が訪れ、サクラパワー現象が生じる状況が見られますが、小さなブースではスタッフの姿ばかりが目立って、目的を持って訪れるお客様以外は、なかなか近づけない雰囲気を醸し出してしまいます。
小さなブースのスタッフは、初めは元気よく声を出して呼びかけていますが、なかなか思い通りに集客できないことがわかってくると、次第に「商品の魅力」や「ブースの規模」が劣っていることが集客できない原因なのだと感じるようになります。
そして、自分のブースは新しいお客様を引きつけるのがむずかしいと感じたスタッフは、馴染みのお客様がやって来ると、「どうせ誰も来ないのだから…」と思って、ブースを離れて一緒にお茶を飲みに行ったりするのですが…。
そんな時に決まって、何人かのお客様が自分のブースに近づいたり入ってきたりするものなのです。
そこで、急いで引き返してあわてて説明をしようとしますが、時すでに遅し。
せっかくのお客様を取り逃がして、がっかりすることになるのです。
それでは、いったいどうしてこのような現象が起きるのでしょうか?
展示会場のブースにおけるお客様とスタッフの関係は、リアルショップにおける店員とお客様の関係と同じです。
つまり、ブースという「なわばり」で、スタッフがお客様を待ち構えているのです。
従って、少しでも多くのお客様をブースに集客するためには、「なわばり」を解除した「商品空間」と「客空間」が不可欠になります。(「なわばり」を解除した「商品空間」、「客空間」については、「一晩で売れる店に変えられる」を参照してください)
そして、一番「なわばり」を解除する力があるのは、やはりスタッフのアクションです。
今回のケースは、たまたま誰もいなくなったブースが、他社のブースに比べて「なわばり」が解除されたために、一人目のお客様が引きつけられ、やがてサクラパワーとなって、二人、三人とお客様が引きつけられたという現象です。
実は、メイン通路にある大規模なブースにおいても、同じような現象が起こっています。
すなわち、そこにいる大勢のスタッフがどのようなアクションをするかによって、お客様を引きつけたり遠ざけたりするという現象が生じているのです。
大勢のスタッフがじっと立って、お客様が来るやいなやすぐに説明を開始しようと待ち構えているブースにはお客様が集まりにくく、反対に、すぐには説明されず、お客様が自由に展示物を見たり試したりできるブースには多くのお客様が集まっているはずです。
大勢のおl客様を引きつけているブースのスタッフのアクションと、そうでないブースのスタッフのアクションとの違いを改めて観察してみてください。
必ず、今後の展示会場への出店における集客のヒントが発見できるはずです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.店員がお客様を待ち受ける正しい方法とは?
2.店員がきちんと立っていると客は立ち止まらないが、お尻を向けていると立ち止まる。
3.客は接客すると遠ざかるが、他の客に接客すると近づいて来る。
4.さぼっていては客は来ないが、やる気を出すともっと来ない。
【関連記事2】
1.客を遠ざけるアクション、引きつけるアクション
1.13人の店員
2.13人のお客様
3.13種類の動きと「上手・下手」の関係
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