4.「買って威張られるくらいなら、買わずに逃げられる方がいい」と思う店員は「下手・したて」アクションが苦手。
こんにちは。
今日は、リアルショップの店員が、お客様に対して、「文句を言ったり威張ったりするくらいなら、買わずに帰って欲しかった!」と思う場合のほとんどは、店員が「下手・したて」アクションを提供しなかったことが原因だというお話です。
※お客様が、威張ったり、怒ったりする要因は、大抵の場合、店員が無意識に使う「上手・うわて」アクションが原因になっている。
「お客様は神様」という言葉があります。
そのために、お客様の言うことには、どんなことにも対応しなければいけないと考える店員や、自分は客なのだから、店員に対して無理を言うのは当たり前だと思っているお客様のように、全く間違った考え方を持った人が存在していることも事実です。
この両者の間違った考え方は、いったいどのような背景から生じているのでしょうか?
「お客様は神様です」という言葉は、1964年に開催された東京オリンピックのテーマソングを歌った人気歌手・三波春夫さんが話したことがきっかけとなって流行し、現在でも使われています。
しかし、1960年代といえば、ようやくスーパーマーケットが登場&普及し始めたばかりのころで、実際には、当時の店にやって来る客は、まだまだ「神様」ではありませんでした。
やがて、1970年代~1980年代にかけて、コンビニエンスストアや大型専門店やショッピングセンターが登場&普及するにつれて、店員は「社員、パート、アルバイト」となり、見知らぬ大勢の客を対象にした接客が行われるようになりました。
そして、急速なサービス産業の発展と就業者の急増を背景にして、「客」は次第に、店に繁盛や衰退をもたらす数の力を持った神のような存在、すなわち、「お客様」という「神様」になったのです。
以上のような背景に加えて、見知らぬ他人とうまくやってゆくために工夫された、相手に対して「下手・したて」に出るという日本特有の人間関係の知恵を接客スキルの基本として採用したところから、一部の店員とお客様に誤解が生じているきらいがあります。
実際には、店員が「下手・したて」アクションを提供すれば、お客様は快適に買い物ができるので、そうそう無理難題は言わないものですが、もともと「店」という「なわばり」の主である店員が偉そうな態度をとると、客は買わないで帰ってしまうか、あるいは怒り出すこともあるのです。
つまり、店員がお客様に対して「神様のように無理難題を言う客だ」と感じる場合のほとんどは、お客様に対して「下手・したて」を表現するアクション、つまり、「お辞儀アクション」と「うなずきアクション」と「案内アクション」をきちんと提供しないことから生じて来ているのです。
(1)挨拶やお詫びやお礼やお願いを伝える時の「お辞儀アクション」
(2)協調や信頼を伝えるための「うなずきアクション」
(3)場所や方向を指し示す「案内アクション」
これらの三つのアクションは、一瞬にしてお客様を「上手・うわて」にして、自らを「下手・したて」な立場にすることができるために、大抵のお客様を威張らせたり怒らせたりさせないばかりでなく、ほとんどのお客様を自由自在に動かすことさえできるのです。
このように、お客様とのコミュニケーションにおいて、「下手・したて」アクションができる店員と、「下手・したて」アクションができない店員とは、天と地ほどの開きがあるのです。
(このシリーズのタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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