9.店員がきちんと立っていると客は立ち止まらないが、お尻を向けていると立ち止まる。
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(9)」の、
リアルショップでは、「店員がきちんとした姿勢で待ち受けると、お客様は、その店に近づいたり、立ち止まったりしなくなる」というお話です。
リアルショップにおいて店員は、どのような姿勢でお客様を待ち受けることが正しいのでしょうか?
きちんとした姿勢で立っているのか?
だらしない格好でも構わないのか?
店内に立ち止まらないで動きながら待つのか?
リアルショップで、お客様を待ち受ける店員のアクションを観察すると、「お客様を引きつけるアクション」がある一方で、「お客様を遠ざける店員のアクション」も頻繁に行われていることがわかります。
近年、リアルショップにおいて盛んに教育されている「お客様の待ち受け方」は、実は、
1980年代から、日本各地に急激な勢いで普及してきたセルフサービス方式の店の台頭と深い関係があるのです。
セルフサービス方式の店が登場し始めた時期は、新しいショッピングセンターや大型店などの登場を背景に、従来の商店街や百貨店などの店が激しい販売競争にさらされて、対策の一つとして接客方法の見直を行っていました。
そのため、従来までの「きちんとした姿勢でお客様を出迎える」接客態度は、少しずつ見直され始めていたのです。
ところが、皮肉なことに、セルフサービス方式の店が増えていくにつれて、このような接客方法の見直しがストップすることになってしまったのです。
それは、セルフサービス方式の店では、「きちんとした姿勢でお客様を出迎える」という接客教育が、従来にも増して、徹底的に指導されたためです。
なぜ、セルフサービス方式の店で、このような接客教育が行われたのかというと、
①接客経験のないパート、アルバイトの店員には接客教育が不可欠であったこと。
②購入決定後に接客を開始するセルフサービス方式(一見接客)の店では、店員が「きちんとした姿勢でお客様を出迎える」行為は、まったくお客様にプレッシャーを与えない。
というのが大きな理由だと考えられます。
このような「セルフサービス方式」の店の普及によって、「きちんとした姿勢でお客様を待ち受ける」ことが接客方法の主流になり、その影響を受けて、一般的なリアルショップにおいても、同じような店員のアクションが復活してしまったのです。
けれども、店(リアルショップ)が店員の「なわばり」であることは変わらないために、セルフサービス方式ではない店で行われる「きちんとした姿勢でお客様を出迎える」店員のアクションは、お客様を遠ざけるアクションになってしまうのです。
現在では、セルフサービス方式ではない店の接客教育として、「静的待機」や「動的待機」のように、じっとしていないで、作業をしたり店内を移動したりしながら待機することの重要性が指導されています。
しかし、そのような指導においても、なぜ動きながら待機をすることが必要であるかについて、明確に説明されていないのが現状です。
すでに何回もご説明していますが、
店員が店頭や店内にじっと立ってお客様を待ち受けると、「なわばり」を主張するアクションとなるために、お客様を遠ざけることになります。
一方、他のお客様に接客中や何らかの作業中のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなるために、お客様を引きつけやすくなるのです。
もちろん、店員が「お尻を向けている」と、それだけでお客様が引きつけられるわけではありませんが、きちんとした姿勢でじっと立ってお客様を待ち受ける店員のアクションに比べれば、はるかに「なわばり」が解除された状態となるために、お客様を引きつけることになるのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.店員がお客様を待ち受ける正しい方法とは?
【関連記事2】
1.客を遠ざけるアクション、引きつけるアクション
1.13人の店員
2.13人のお客様
3.13種類の動きと「上手・下手」の関係
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