15.シャッターを閉めようとすると客が来る
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(15)」の、
リアルショップでは、「もうすぐ閉店時間なので、店員がシャッターを閉めようとすると、なぜか急に客がやって来る」というお話です。
※シャッターを閉めようとすると、お客様が店にやって来るのは、「なわばり」を解除した、作業中の店員のアクションがお客様を引きつけアクションだからです。
リアルショップにおいては、店員がお客様に「今は、やって来てほしくない」と思う時があるというお話をしていますが、その三回目です。
店員は日中の営業時間帯にもいろいろな仕事がありますが、開店前後と閉店前後は、特にたくさんの仕事をこなさなければいけません。
したがって、閉店時間が迫ってくると、多くの店では閉店のための片付けの準備が始まります。
なぜならば、閉店時間と同時にシャッターを閉めるためには、店頭に陳列してあるたくさんの商品を片付けておく必要があるからです。
ところが、少しずつ商品を片付け始めるや否や、お客様がやって来て、いよいよシャッターを閉めようとするときには、決まって何人かのお客様がやって来てしまうのです。
このように、多くのリアルショップでは、毎日、無事にシャッターが閉まるまでに、お客様の注文を受けながら、片付けを済ませなければならないという、お決まりの閉店繁忙タイムが訪れるのです。
それではなぜ、店員がシャッターを閉めようとする時間帯になると、お客様がやって来るのでしょうか?
お客様は、間もなく閉まるシャッターに引きつけられているのではなく、シャッターを閉める時間が近づいてきたために、店頭や店内の片付けを始めた店員のアクションに引きつけられてやって来るのです。
なぜならば、店は店員の「なわばり」だからです。
じっと立ってお客様を待ち受ける店員のアクションは、「なわばり」を主張する店員のアクションなので、お客様を遠ざけます。
それに対して、閉店のための様々な作業に追われる店員のアクションは、「なわばり」を解除する店員のアクションなので、お客様を引きつけるのです。
そして、引きつけられたお客様が「サクラパワー」となって、また次のお客様を引きつけることにつながってゆくのです。
したがって、「シャッターを閉めようとすると客が来る」という現象の背景には、「なわばり」を解除する店員のアクションと、お客様のアクション(=サクラパワー)が存在しているのです。
以前、ある店長さんから、「閉店前の売り上げのためには、閉店時間よりも少し前から、ゆっくりと片付けを始めるようにスタッフに指示を出すことが効果的だ」という話を伺ったことがあります。
この店長さんは、閉店前の作業がお客様を引きつけることを、体験的によくご存じだったのですね。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.店員の目には見えないが、お客様の目には良く見える「サクラパワー」現象。
2.客を遠ざけるアクション、引きつけるアクション
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2.配送便が来ると、客が来る
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