190.「店員空間がない、引き込み・回遊型店」がお客様を引きつける要因は、お客様にはよく見えるが店員には見えない。
こんにちは。
さて今日は、「店員空間がない、引き込み・回遊型店」のリアルショップが、お客様を引きつけたり遠ざけたりする理由についてお話しします。
すでに説明しました、店員空間が狭い(あるいは広い)「接触型店」や「引き込み型店」は、店の原型である「戸板一枚の店」の構造を忠実に継承した店でした。
しかし、それと並行して、「戸板一枚の店」の構造と売り方に別れを告げた店も登場してきていたのです。
それが、本日、ご紹介する「店員空間がない、引き込み・回遊型店」と、明後日、ご紹介する「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」です。
※店員空間がない、引き込み・回遊型店
※店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店
「戸板一枚の店」を継承している「「接触型店」と「引き込み型店」は、店員がお客様と「商品空間」を挟んで接客を行うのに対して、この二つのタイプの店は、ともに、店員がお客様と店内の回遊通路を共有しながら接客を行います。
そのために、店内全体に渡って、店員が「なわばり」を主張するアクションが生じやすくなる店の構造となっています。
実は、かつての日本の商店街のほとんどの店は、この二つのタイプの構造をしていました。
そして、大多数の店主は、店員のなわばりが解除された「戸板一枚の店」の「商品空間」が客にとっていかに魅力的な空間であるかということにも、「なわばり」を主張する店員のアクションがどれだけお客様を遠ざけるかということにも、まったく無頓着だったために、急激に大勢のお客様を失っていってしまったのです。
※かつての商店街に多く見られた「店員空間がない、引き込み・回遊型店」。店の奥は、店主の住居になっている。
やがて時が流れ、ほとんどの商店街が衰退してしまいましたが、現在では、新しく生まれた移動空間としての「道」に、この二つの構造の店がたくさん登場して、多くのお客様を引きつけています。
このような構造で繁盛している現代のリアルショップの成功のポイントを見てみましょう。
この二つのタイプの店の場合には、あらかじめ、店員が「なわばり」を解除しやすいための「商品空間」をつくることが大切なポイントとなるのです。
「店員空間がない、引き込み・回遊型店」において最も大切なことは、できるだけ表の通路に近い位置の中央に、「戸板一枚の店」の「商品空間」をつくることです。
※戸板一枚の店の「商品空間」
※「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の「戸板一枚の店」の「商品空間」
このように、「戸板一枚の店」の「商品空間」は、通行客に対して、「なわばり」が解除された魅力的な「商品空間」であることを訴求すると同時に、その前(通路)に、やはり「なわばり」が解除された「客空間」を生み出すことができるからです。
※「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の「商品空間」は、店員が「なわばり」を解除するアクションを生じやすい。
また、このように「戸板一枚の店」の「商品空間」をつくることによって、店員がじっと立って待ちかまえたり、早すぎる接客を開始したりすることをコントロールすることができるのです。
そしてもう一つ大切なことは、店内の「商品空間」も、できるだけ「戸板一枚の店」に近い「商品空間」で構成することです。
そうすることによって、店内にも、「なわばり」が解除された、お客様が気軽に見て歩ける「回遊通路」をつくることができるからです。
※「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の「なわばり」が解除された回遊通路
そして、このような新しい「店員空間がない、引き込み・回遊型店」で繁盛している店は、店頭のできるだけ通路に近い位置に、「戸板一枚の店」の「商品空間」をつくり、店員が「なわばり」を解除したアクションを提供することによって、大勢のお客様を引きつけているのです。
一方、同じ構造の店で、同じような良い立地にあるにもかかわらず、あまり繁盛していない店もたくさんあります。
そのような店は、店頭や店内に「戸板一枚」の「商品空間」をつくっていないため、店そのものが、お客様を引きつけることができないでいるのです。
このような店の店主や店員は、残念ながら、かつての商店街の店の店主と同じように、「なわばり」が解除された「商品空間」や「客空間」や「店員のアクション」が全く見えないために、それらの大切さに気づいていません。
何度も繰り返してご説明していますが、お客様に見えて、販売関係者に見えないモノの存在を知ることが、繁盛店を生み出すカギなのです。
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