194.「店員空間がある、引き込み・回遊型店」がお客様を引きつける要因は、お客様には見えるが店員には見えない。
こんにちは。
さて今日は、「店員空間がある、引き込み・回遊型店」のリアルショップが、お客様を引きつける理由についてお話しします。
※「店員空間がある、引き込み・回遊型店」の基本的な構造。
「店員空間がある、引き込み・回遊型店」は、セルフサービス方式を採用した店の構造です。
セルフサービス方式を採用した店は、日本では、1953年に、東京・青山の食品スーパー「紀ノ国屋」が、在日アメリカ人を対象にオープンしたのが最初です。
そして、1960年代から1970年代にかけて、セルフサービス方式の食品スーパーは、日本各地に一気に普及していきました。
セルフサービス方式の店があっという間に日本各地に普及をしていった一番の要因は、なんと意外にも、限りなく「戸板一枚の店」に近い店であったということなのです。
この店が備えている「戸板一枚の店」の要素を見てみましょう。
(1)床に最も近い位置からお客様の背丈ほどの高さに商品を陳列することで、「なわばり」が解除された「商品空間」をつくり、お客様が自由に見たり触れたりできるようにしたこと。
(2)「なわばり」が解除された「商品空間」で構成された店内には、「明確な回遊通路」がつくられていたこと。
(3)「なわばり」が解除された「商品空間」と「明確な回遊通路(客空間)」によって、なわばりが解除された「明確な出入口」がつくられていたこと。
(4)「なわばり」を主張しやすい、従来の「常連接客」に対して、なわばりを解除した「一見接客」であったこと。
「店員空間」がない店での接客方法は、お客様から注文を受ける前から接客を開始する(常連接客)ために、「なわばり」を主張しやすい接客方法であるのに対して、「店員空間」がある店(セルフサービス方式の店)の接客方法は、お客様から注文を受けた後から接客を開始する(一見接客)ために、「なわばり」を解除した接客方法なのです。
以上、(1)~(4)の要素をそろえたことで、「店員空間がある、引き込み・回遊型店」は、構造的には非常に複雑なようでありながら、「戸板一枚の店」の性質をそのまま継承した店になったのです。
近年では、移動空間としての「道」に、セルフサービス方式の店(店員空間がある、引き込み・回遊型店)が多数登場して、大勢のお客様を引きつけています。
しかし、他の店と同じように、ここでご紹介した「店員空間がある、引き込み・回遊型店」が多くのお客様を引きつける要因もまた、お客様にはよく見えますが、店員にはなかなか見えないものなのです。
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