176.がっかりしやすいお客様は、動かない店員に、もっと積極的に対応して欲しいと思う。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
店員が両手を広げたほどの「戸板一枚の店」は、
店員が「なわばり」を主張すれば、お客様を遠ざけ、
「なわばり」を解除すれば、お客様を引き付けることができる店でした。
ところが、その後に生まれた「商店街の店」は、
店員に、そのことをすっかり忘れさせてしまう店だったのです。
そして、その次に、
販売効率の悪い商店街の店から脱却するために
「セルフの店」が登場しました。
「セルフの店」では、
店員にとってお客様は全て「見知らぬ客」であったこと、
「見知らぬ客」が自由に店内を回遊できたこと、
お客様から注文があるまで接客をしなかったこと から、
図らずも、「戸板一枚の店」の「なわばり感覚」が、
呼び覚まされることになったのです。
そこで、
「なわばり」を主張することはできるだけ抑えて、
できるだけ「なわばり」を解除しようとする気持ちが、
店員の無意識に一気に広がっていったのです。
そして同時に、
店員の「なわばり」を解除するために、
お客様を「上手・うわて」にして、
店員が「下手・したて」に出る接客アクションが、
セルフであるかどうかを問わず、全国各地の店に、
あっと言う間に普及していったのです。
さて、今日は、
「なわばり」を解除するために「下手・したて」出る接客が苦手な、
「動かない店員」と、「頼りないお客様」の話です…。
※頼りないお客様の動き
※虚脱の動きを使ったやる気のないうなずき
「頼りないお客様」は、腕や頭や上半身を使って、上から下に向かって力を抜く動き(虚脱の動き)をたくさん行い、攻撃性がないことを表現するのが得意な人です。
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「頼りないお客様」は、全身の力が抜けている上に、下に向かって力を抜く「うなずき」をしながら話をするので、いつもがっかりしているように見えるのが特徴です。
しかし、がっかりすること自体が好きなので、普段から敢えて実現しそうにない目標を立てたり、高い期待を抱いたりしては、自分自身で勝手にがっかりしているタイプの人です。
そして、「頼りないお客様」は、無理してやる気や根性を出すのは良くないことで、常に頑張り過ぎないことが良いことなのだと考えています。
このような「頼りないお客様」は、買い物をする時も、店員が一生懸命に行う案内や説明に対して、いかにもがっかりしたような「うなずき」を伴って受け答えをしてしまうために、店員には、すっかり買う気を無くしたように感じさせてしまいます。
しかし、「頼りないお客様」は、初めから勝手に高すぎる期待や理想を持って質問や相談をしているので、店員が感じるほどには、がっかりしているわけではありません。
そのことをよく知らない多くの店員は、「頼りないお客様」の質問や相談に対して、一生懸命に案内や説明をすればするほど、「頼りないお客様」が、がっかりした「うなずき」を繰り返すために、完全に買う気を無くしてしまったのだと判断してしまいます。
それでは、「動かない店員」は、「頼りないお客様」に対して、どのように対応するのでしょうか?
「動かない店員」は、「頼りないお客様」の質問や相談に対して、身振り手振りや表情の変化を一切見せない「不動の動き」を保ちながら、
「わかりました、それはあちら側にございます」
「あちらの商品は、ただ今、大変人気となっております」
「すみませんでした、それでは向こう側の商品をご覧くださいませ」
「そちらの商品も、大変お勧め品となっております」
などの明解な言葉を使って対応しますが、「頼りないお客様」は、なかなか商品を検討したり試したりすることができません。
なぜならば、自分自身で判断したり決定したりすることが苦手な「頼りないお客様」は、店員が自信や責任を持って勧めてくれることを望んでいるために、身振り手振りや表情の変化を全く見せない「動かない店員」の案内や説明だけでは、どうしても購入を決定することができないのです。
「動かない店員」が「頼りないお客様」に接客をする際の注意点は、「頼りないお客様」は、店員が自信と責任を持って積極的に勧めてくれることを望んでいるということをあらかじめよく理解しておくことです。
したがって、「動かない店員」は、「頼りないお客様」が、たとえがっかりした「うなずき」を繰り返して、すっかり買う気を無くしたように見えたとしても、接客を途中でやめてしまわないで、むしろ積極的に、「意志が強い店員」の「うなずきアクション」や「仕切りやの店員」の「案内アクション」を伴って、自信を持ってはっきりと勧めることが大切なのです。
残念ながら、「動かない店員」が、「うなずきアクション」や「案内アクション」を使って、「頼りないお客様」を「上手・うわて」に感じさせて、「なわばり」を解除する店員のアクションを提供することは、大変な困難を伴うことでしょう。
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※動かない店員の動き

「動かない店員」は、お客様の質問や相談に対して、表情を一切変えずに、身振りや手振りを全くしない(不動の動き )で、言葉中心の案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、「話していることは本当なのだろうか?」と不安に感じてしまいます。
そして、表情を変えず、身振り手振りを全く見せない「動かない店員」の接客方法は、お客様を「下手・したて」にして、店員自身が「上手・うわて」に出ていることを表現してしまうので、店員が「なわばり」を主張するアクションとなってしまいます。
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