165.早くしたいお客様は、慎重な店員のペースを、全く受け入れられない。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
セルフ販売方式の店は、
店員の人件費を抑えられる販売効率の良い店として、
1960年代にスーパーマーケットが、
1970年代にコンビニエンスストアが登場してきました。
しかし、これらの店を「人の動き」という観点からとらえると、
人件費の削減以上に大きな意味があることがわかります。
セルフ販売方式の店は、店員の「なわばり」主張を
できるだけ抑えた店舗構造と販売方法を採用した上に、
店員の「なわばり」主張をできるだけ抑えた接客方法、
つまり、店員が「下手・したて」になって、
お客様を「上手・うわて」にする接客方法を
取り入れた店だったということになります。
それ以降、対面販売や側面販売を行う店でも、
お客様を「上手・うわて」にする接客方法が基本となっています。
そして、現在では、
リアルショップだけではなく、
介護サービスやデリバリーサービスや
その他のサービス業全体においても、
お客様を「上手・うわて」にする接客方法が徹底されています。
サービス業の就業者が大きく増加した現代において、
一切、見返りを求めないで、
見知らぬ人にできるだけ良くしてあげるという行為が、
日本人全体に普及していることに
誰も反対することができないでしょう…。
さて今日は、
「消極的な店員」と、「突進するお客様」の話です…。
※突進するお客様の動き

「突進するお客様」は、手や身体を使って、前に向かって勢いよく進む動き(突進の動き)をたくさん行い、唐突で強引なことを表現するのが得意な人です。
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「突進するお客様」は、何事にも猪突猛進をするタイプの人です。
このタイプの人は、「ばっ!」と唐突に飛び出したり、相手にモノを手渡す時に投げ出すように差し出したり、受け取る時にひったくるような動きを見せたりするので、直ぐに見抜くことができます。
そして「突進するお客様」は、「思い立ったが吉日」、何事も直ちに行動することこそが大切で、ぐずぐずしたりちゅうちょしたりしていては、大事なチャンスを逃してしまうと考えています。
このような「突進するお客様」は、買い物をする時もスピードを最優先し、とにかく直ぐに買って、直ぐに帰りたいと思っています。
このことをよく知らない多くの店員は、「突進するお客様」が、あまりにも唐突に質問や相談を投げ掛けてきて、直ぐに返事をすることを求めるために焦ってしまい、ついつい間違いや勘違いをした案内や説明になってしまいがちです。
また、注文を受けてからの、包装や精算作業に少しでも時間がかかると、「突進するお客様」から直ぐに、「早くしてください!」という注意を受けてしまうため、ますます焦ることになります。
それでは、「突進するお客様」は、「消極的な店員」の接客を一体どのように感じるのでしょうか?
「消極的な店員」は、「突進するお客様」の質問や相談を受けると、後方に向かってゆっくり進む「退避の動き」を伴いながら、
「少々、お待ちくださいませ」
「お待たせしました、こちらのことでしょうか?」
「少々、お待ちくださいませ」
「お待たせしました、これでよろしいでしょうか?」
などという言葉を使って、いかにも自信がなさそうに、案内や説明をしますが、「突進するお客様」が希望するタイミングよりもはるかに遅れてしまうために、大抵の場合、「突進するお客様」は待ちきれず、怒り出すか、あるいは、どこかに立ち去ってしまいます。
何事も慎重に対処することが大切だと思う「消極的な店員」は、何事も早くしなければ意味がないと思う「突進するお客様」の猛スピードには全くついて行くことができないために、どうしても「突進するお客様」に「遅すぎる!」と感じさせてしまうのです。
「消極的な店員」が「突進するお客様」に接客をする際の注意点は、「突進するお客様」は、どの店員に対しても「遅すぎる!」と感じてしまうほど、早く対応してくれることを強く望んでいるということを、あらかじめよく理解しておくことです。
「突進するお客様」に対しては、最初にどのくらいの時間がかかるかということを逐一伝えることが大切で、なおかつ素早く対応することが必要になります。
そのためには、「うなずきアクション」や「お辞儀アクション」や「案内アクション」を伴った対応が必要となりますが、後ろにゆっくり下がる動きの癖を持つ「消極的な店員」は、素早く行動するよりも、慎重に行動したい気持ちの方が優先してしまうために、素早く対応する接客を提供することは、大変難しい仕事となることでしょう。
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※消極的な店員の動き

「消極的な店員」は、お客様の質問や相談に対して、手や身体を、後ろに向かってゆっくり進める動き(退避の動き )を伴って、案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、「やる気のない態度をする店員だな」と感じてしまいます。
そして、やる気のない態度で接客をする「消極的な店員」の行為は、お客様を「下手・したて」にして、店員自身が「上手・うわて」に出ていることを表現してしまうので、店員が「なわばり」を主張するアクションとなって、大抵のお客様を遠ざけてしまいます。
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●関連記事 お客様には13人のタイプが存在する
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