156.大まかなお客様は、慎重な店員には、協力をしてもらえない。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
私たちは毎日、
「なわばり」争いをしながら暮らしていることを
忘れています。
花見や花火の場所取りや、
海水浴や運動会での場所取り等の時に限っては、
「なわばり」の意識を持ちますが、
普段は「なわばり」争いなどはしないで、
暮らしているように思っています。
しかし、
電車に乗れば、座った両隣の人が気になり、
立って吊皮を持つと周囲の人が気になります。
レストランやコーヒショップに入れば
他の人とは距離を置いて座りたくなります。
現代人にも動物が持つなわばり感覚が存在しているからです。
少し高額な商品を買った時に、
何となく店員に「勝った!」と感じるのは、
「なわばり」争いに勝利したという無意識が
働いているからなのです。
商品とお金を巡って「仁義なき戦い」を展開する
店員とお客様の様子をこれからも
ご報告してまいります。
さて今日は、「消極的な店員」であるにもかかわらず、
「アバウトなお客様」に「なわばり」を主張してしまう話です…。
※アバウトなお客様の動き
「アバウトなお客様」は、手や身体を、内側から外側に大きく開く動き(全体注意の動き)をたくさん行い、広く全体に注意を払うことが得意な人です。
====================
「アバウトなお客様」は、細かいことにはこだわらない大らかなタイプの人です。
そして、両手や両肩を外側に向かって華やかに広げながら話をするのが特徴です。
また「アバウトなお客様」は、物事は全体を把握することが大切で、部分的なことにはこだわりたくないと考えています。
このような「アバウトなお客様」は、買い物をする時も、店員に対しては細かい質問や相談を投げ掛けることはなく、発展的な会話をしながら、店全体の商品をいろいろと試したくなります。
しかし、多くの店員は、専門家として商品に関する案内や説明を行うことはできますが、「アバウトなお客様」の商品から発展した様々な会話には、適切な受け答えができません。
そこでどうしても月並みな案内や説明になってしまうために、「アバウトなお客様」に大きな不満を与えてしまいます。
それでは、「消極的な店員」は、「アバウトなお客様」に対しては、どのような対応を行うのでしょうか?
「消極的な店員」は、「アバウトなお客様」の質問や相談に対して、後に向かってゆっくり進む「退避の動き」を伴いながら、
「すみません、少々お待ちくださいませ」
「お待たせしました、こちらでよろしいでしょうか?」
「申し訳ありません、少々、お待ちくださいませ」
「お待たせしました、こちらのことでしょうか?」
等という言葉を使って、いかにも自信がなさそうに商品を運んで来ます。
しかし、その行動は、できるだけたくさん見たり試したりしたい「アバウトなお客様」の要望とは、かけ離れた対応になってしまいます。
「消極的な店員」は、「アバウトなお客様」の大まかな要望を要領よく把握することができないために、何を紹介すればよいか決心がつかず、ついつい慎重な行動を取ってしまうのです。
「アバウトなお客様」は大らかな性格なので、自分の要望にうまく対応することができない店員の行動をいちいち細かく注意するようなことはありませんが、慎重すぎて、なかなか商品を紹介してくれない店員には閉口してしまいます。
消極的な店員」が「アバウトなお客様」に接客をする際の注意点は、「アバウトなお客様」は、できるだけいろいろな商品を見たり試したりして買い物がしたいと思っていることを、よく理解しておくことです。
したがって、「アバウトなお客様」には、できるだけ多くの商品を用意して、お客様が自由に見たり、試したりできる状況を提供することが大切なのです。
「消極的な店員」は、取り敢えずは後ずさりをしたくなる気持ちを抑えて、自信を持って素早く次々と商品を紹介する行為を繰り返してみるとよいでしょう。
そして、そのような行為全体が、「アバウトなお客様」を「上手・うわて」にして、「消極的な店員」自身が「下手・したて」に出る、なわばり解除のアクションとなるのです。
========================
※消極的な店員の動き

「消極的な店員」は、お客様の質問や相談に対して、手や身体を、後ろに向かってゆっくり進む動き(退避の動き )を伴って、案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、「やる気のない態度をする店員だな」と感じてしまいます。
そして、やる気のない態度で接客をする「消極的な店員」の行為は、お客様を「下手・したて」にして、店員自身が「上手・うわて」に出ていることを表現してしまうので、店員が「なわばり」を主張するアクションとなって、大抵のお客様を遠ざけてしまいます。
=========================
●関連記事 お客様には13人のタイプが存在する
| 固定リンク
« 155.細かいことが気になるお客様は、はっきり答えられない店員を信頼できない。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション) | トップページ | 157.気持ちが直ぐに変わるお客様は、対応の遅い店員には、イライラさせられる。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション) »
「◆13人の店員と13人のお客様の相性」カテゴリの記事
- 31.手や身体を外側に開くようにしながらさし示す『案内アクション』から伝わる情報とは?(2017.12.20)
- 28.「うなずきアクション」から相手の本音が見抜ける(2017.12.13)
- 14.日本人は店員から、「お辞儀」や「うなずき」や「案内」の「動き=アクション」を学んでいる(2017.11.10)
- 182.「動かない店員」が13タイプのお客様に接客したら?(2015.02.18)
- 181.動かないお客様は、同じく動かない店員とは、気が合うけれどもなかなか購入できない。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)(2015.02.17)
コメント