164.シャイなお客様は、慎重過ぎる店員からは、立ち去りたくなってしまう。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
商店街の店に代わって登場してきた店の一番の特徴は、
接客をする人が「店主」から「店員」に変わったことです。
そのことによって、店員と客は「見知らぬ同士」の関係となり、
客は「お客様」として特別扱いをされるようになったのです。
すなわち、日本人に伝承されてきた、
相手を「上手・うわて」にして、
自分が「下手・したて」になることによって、
「見知らぬ人」と良好な関係を構築するという知恵が、
店員と「お客様」の関係に導入されたのです。
「お客様」を「上手・うわて」にして、店員が「下手・したて」になる、
このような接客現場における対人スキルは、
現代人全体の人間関係にも大きな影響を及ぼし、
日本人特有の「おもてなし」として、
世界からも注目されつつあります…。
さて、今日は、
見知らぬ同士の、「消極的な店員」と、
「機敏なお客様」の話です…。
※機敏なお客様の動き
「機敏なお客様」は、手や身体を使って、後に向かって素早く引く動き(機敏の動き)をたくさん行い、テキパキと対応することを表現するのが得意な人です。
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「機敏なお客様」は、手や身体を素早く動かすのが得意なために、相手にモノを手渡したり指し示したりした手を素早く引っ込めるのが特徴なので、直ぐに見抜くことができます。
そして、「機敏なお客様」は、相手に近づいて話をしても、直ぐに相手から遠ざかりたくなってしまう、シャイなタイプの人です。
このような「機敏なお客様」は、買い物をする時も、できるだけ店員を避けながら、自分一人で商品を探したり検討したりして、購入を決定したいと考えています。
そして、どうしても、店員に質問や相談をしなければいけなくなった場合にも、できるだけ手短に話しかけ、できるだけ簡潔な案内や説明が返ってくることを望んでいます。
しかし、このことを知らない多くの店員は、「機敏なお客様」に積極的に近付いてしまったり、「機敏なお客様」の質問や相談に対して、要領を得ない長い案内や説明になったりするために、「機敏なお客様」を遠ざけてしまいます。
それでは、「消極的な店員」は、「機敏なお客様」に対して、どのような接客を行うのでしょうか?
「消極的な店員」は、「機敏なお客様」から質問や相談を受けると、後方に向かってゆっくり進む「退避の動き」を伴いながら、
「少々、お待ちくださいませ」
「お待たせしました、こちらの商品のことでしょうか?」
「少々、お待ちくださいませ」
「お待たせしました、こちらでよろしいでしょうか?」
などの言葉を使って、いかにも自信がなさそうに案内や説明をするために、素早く案内や説明をして欲しい「機敏なお客様」の要望を満たすことができません。
常に後方にゆっくり動いて、慎重な行動をとる「消極的な店員」と、後方に素早く動いて、直ぐに立ち去ろうとする「機敏なお客様」の二人は、お互いに程よく近付き合って、うまく話し合うことができないのです。
したがって、「消極的な店員」が「機敏なお客様」の要望に合った商品を紹介したり勧めたりすることができないうちに、「機敏なお客様」はさっさとあきらめて店を立ち去ってしまいます。
「消極的な店員」が「機敏なお客様」に接客をする際の注意点は、「機敏なお客様」は、店員の素早い対応を強く望むタイプであるということを、あらかじめよく理解しておくことです。
したがって、「消極的な店員」は、「機敏なお客様」の質問や相談に関しては、ついつい慎重になり過ぎる自分の癖を我慢して、できるだけ素早く案内や説明を行い、具体的な商品をできるだけ多く、次々と紹介することが必要なのです。
しかし、残念ながら、「機敏なお客様」の方が素早く行動し、「消極的な店員」の方が慎重に行動するタイプであるために、「消極的な店員」が機敏なお客様」の希望するスピードに合わせることは大変むずかしいと予想されます。
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※消極的な店員の動き

「消極的な店員」は、お客様の質問や相談に対して、手や身体を、後ろに向かってゆっくり進める動き(退避の動き )を伴って、案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、「やる気のない態度をする店員だな」と感じてしまいます。
そして、やる気のない態度で接客をする「消極的な店員」の行為は、お客様を「下手・したて」にして、店員自身が「上手・うわて」に出ていることを表現してしまうので、店員が「なわばり」を主張するアクションとなって、大抵のお客様を遠ざけてしまいます。
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