149.積極的なお客様は、早過ぎる店員の勧めは、直ぐに断る。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
昨日に続く、「接触型店」と店員の「なわばり」についての話です。
百貨店やSCの「接触型店」は、試行錯誤を繰り返しながら、
結局、全体の店舗面積の都合により、
現在は、「店員空間が狭い接触型店」が主力となっています。
あなたは、百貨店の食品フロアや
化粧品コーナーや貴金属コーナーの
「接触型店」を気軽に冷やかすことができますか?
店員のプレッシャーを感じて、
気軽には冷やかすことができないと思います。
みなさんの中には、自分は対人関係が苦手なので、
店員に対して強いプレッシャーを感じるのだと、
思い込んでいる人も多くいるはずです。
しかし、これは、決して個人の性格などから感じるものではありません。
店員が、自分の「なわばり」に他人が侵入してこないように、
「なわばり」を主張していることが原因なのです。
じっと立ってお客様を待ち受ける店員のアクションと、
「いらっしゃいませ!」と声をかけるアクションは、
店員が「なわばり」を主張する典型的なアクションなのです。
先ほど、店員にプレッシャーを感じて、
気軽に冷やかせないと感じたあなたも、
店員がじっと立たないで、何らかの作業をしているか、
他のお客様に接客をしている店には、
きっと、近付きやすいと感じることでしょう。
それは、店員が「なわばり」を解除するアクションを
しているからなのです。
「店」は、魅力的な商品をたくさん
販売している空間だからで魅力的なのではなく、
店員が「なわばり」を主張したり解除したり
している空間だからこそ、
私たちはそこに強く引き付けられるのです…。
さて、今日は、
「突進する店員」と「前向きなお客様」の話です…。
※前向きなお客様の動き
「前向きなお客様」は、手や身体を使って、前に向かってゆっくりと進む動き(接近の動き)をたくさん行い、積極的で前向きなことを表現するのが得意な人です。
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「前向きなお客様」は、何事にも積極的に取り組む行動的なタイプの人です。
「前向きなお客様」を見抜くには、意外にも、店員に対して、カードや現金を手渡す時に、受け取りやすいようにタイミングを計ってうまく手渡すことができるかどうかで分かります。
それは、手渡し方を見ることで、前に向かってゆっくり進む動きを持っているかどうかが分かるからです。
そして、「前向きなお客様」は、行動力があり、他人に近付くことが得意なので、何事も話し合えば、他人とうまくやってゆくことができると考えています。
このような「前向きなお客様」は、買い物をする時も、気軽に店員に近付き、積極的に質問や相談を投げ掛けて、店員からたくさんの情報を聞き取ろうとします。
しかし、多くの店員は、分かりにくい案内や説明をしてしまったり、自分本位な意見を主張したりしがちなので、なかなか「前向きなお客様」が望むような情報を提供をすることはできません。
それでは、「突進する店員」は、「前向きなお客様」に対してどのように対応をするのでしょうか?
「突進する店員」は、「前向きなお客様」の質問や相談を聞き取るや否や、前方に向かって勢いよく進む「突進の動き」を使って、直ぐに行動を開始します。そして、
「分かりました、直ぐにお持ちいたします」
「はい!こちらです、どうぞお試しくださいませ」
「分かりました、そちらの商品も直ぐにお持ちいたします」
「お待たせしました、どうぞお試しくださいませ」
などの言葉を使って、勢いよく商品を運んで来ては、直ぐまた次の商品を探しに一目散で引き返します。
「前向きなお客様」は、猛スピードで次々と商品を運んでくれる対応には共感を覚えますが、「突進する店員」が勧める商品の購入を決定することはできません。
なぜならば、「突進する店員」は、積極的に質問や相談をする「前向きなお客様」の話が終わらない内に、猛烈な勢いで飛び出してゆくために、運んで来る商品は、「前向きなお客様」が試したり検討したりしたい商品とは大きくズレてしまうからです。
「突進する店員」が「前向きなお客様」に接客をする際の注意点は、「前向きなお客様」は、「突進する店員」から、できるだけ多くの情報を獲得したいと望んでいることをよく理解することです。
したがって、「前向きなお客様」の質問や相談は、最後まできちんと聞き取って、正確な案内や説明をする必要があります。
そのためには、「突進する店員」は、案内や説明をすることよりも、直ぐに行動を開始したくなる気持ちを抑えて、「協調的な店員」や「意志が強い店員」が得意な「うなずきアクション」と、「仕切りやの店員」が得意な「案内アクション」を伴って、分かりやすく案内や説明をしたり、はっきりと確認を取ったりした上で、行動を開始することが必要なのです。
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※突進する店員の動き

「突進する店員」は、お客様の質問や相談に対して、手や身体を使って、前に向かって勢いよく進む動き(突進の動き)を伴って、案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、唐突で強引な接客をする店員だと感じてしまいます。
そして、「突進する店員」が、お客様に唐突で強引に対応する行為は、お客様に対して、大変「上手・うわて」に出ていることを表現してしまうので、「なわばり主張」の店員のアクションとなります。
また、「突進する店員」の対応は、どのタイプのお客様に対しても、唐突に近づいて驚かしたり、強引な接客を開始したりしてしまうので、やはり、お客様を遠ざける、「なわばり主張」の店員のアクションと、なってしまうのです。
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