095.早くしたいお客様は、自分本位な店員とはタイミングが合わない。(お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクション)
リアルショップにおいては、様々な要因によって、
お客様が、どうしても我慢ができないような、
大きな不満や怒りが生じることがあります。
そして、どうしても怒りや不満が収まらないお客様は、
その店の責任者(店長)や苦情処理係の人に訴えることになります。
ところが、往々にして、責任者や苦情処理係の人は
お客様の苦情にうまく対応することができず、
いっそう、怒りや不満を大きくしてしまうことになりがちです。
それは、お客様の苦情を受けるや否や、
責任者や苦情処理係の人が、素早く、
お詫びの「お辞儀」をしないということが原因で、
引き起こされているのです。
お客様の大抵の不満や怒りは、責任者や苦情処理係の人が、
すかさず、お詫びの「お辞儀」を繰り返すだけでも、
大幅に収まるものなのです。
ところが、もしも、責任者や苦情処理係の人が、
「頑固な店員」が持つ「独断の動き」の癖を持っていたとしたら、
「申し訳ありませんでした!」と謝れば謝るほど、
お客様の怒りを鎮めることができなくなってしまいます。
なぜなら、この人がいくらお詫びの言葉を言ったとしても、
同時に下から上に向かって力を入れる「お辞儀」を繰り返して、
「全然反省していない!」という情報を出してしまうからです。
力を抜いてゆっくり頭を上げて、ゆっくり深々と頭を下げて、
お詫びをする「お辞儀」こそが、唯一、
お客様の溜飲を下げるのです。
さて、今日は、
どうしても頭を下げることができない「頑固な店員」と、
「突進するお客様」の話です…。
※突進するお客様の動き

※突進の動き
「突進するお客様」は、手や身体を使って、前に向かって勢いよく進む動き(突進の動き)をたくさん行い、唐突で強引なことを表現するのが得意な人です。
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「突進するお客様」は、唐突に、目的に向かって勢いよく飛び出して行きます。
また、相手にモノを手渡す時などは、グイッと突き出したり、投げ出すように差し出したりするのが特徴です。
そして、このタイプの人は、物事は常に直ぐに行動に移すことが大事で、躊躇したり考え過ぎたりすることはいけないことだと感じています。
このような「突進するお客様」は、買い物をする時も、直ぐに購入を決定して、できるだけ早く精算を済ませて、一刻も早く店を立ち去りたいと考えています。
そのために、どうしても店員に質問や相談をしなければいけないことが生じた場合には、店員にぶつかりそうな速さで近付き、そして唐突に話しかけます。
多くの店員は、「突進するお客様」の唐突な質問や相談に対して、驚きながらも何とかうまく案内や説明をしようと取り組みますが、このタイプのお客様は店員が話をしている間に突然どこかに移動してしまい、案内や説明が中途半端に終わってしまうことがあります。
それでは、「頑固な店員」の場合は、「突進するお客様」に対しては、どのようになってしまうのでしょうか?
「頑固な店員」は、「突進するお客様」の質問や相談に対して、他のお客様に対する時と同様に、下から上に向かって力を入れる「うなずきアクション」を伴いながら案内や説明をしますが、「突進するお客様」は、大抵、その話を全部聞くことなく、勝手にその場から離れてしまいます。
「突進するお客様」は、「頑固な店員」からの素早い返事だけを待っているために、感じの悪い「うなずきアクション」については、全く気になりません。
しかし、「頑固な店員」はなかなかお客様の望む返事をしないで、自分の意見を話し始めてしまうために、「突進するお客様」は店員が話し終わるのを待っていられずに、自分が行きたいところに移動してしまうのです。
「頑固な店員」が「突進するお客様」に接客をする際の注意点は、「突進するお客様」の質問は、
「あるか、ないか?」「できるか、できないか?」
などの、非常に単純なことに限られているのだということを、よく理解しておくことです。
したがって、「突進するお客様」の質問に対しては、直ちに、二者択一の返事を返すことこそが最大のポイントです。
このタイプのお客様に対して、自分の意見を長く主張したり、説得しようとすることは、まったくの逆効果なのです。
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※頑固な店員の動き
「頑固な店員」は、お客様の質問や相談に対して、腕や頭や上半身を使って、下から上に向かって力を入れる動き(独断の動き)を伴って案内や説明を行うために、ほとんどのお客様は、自分の話を無視した、自分本位な主張だと感じてしまいます。
そして、「頑固な店員」がお客様に対して行う、相手を威嚇して主張を曲げないことを表現する「うなずきアクション」は、お客様を遠ざける「なわばり主張」の店員のアクションとなるのです。
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