ロボット「ペッパー(Pepper)」が発信する動きの情報
●ロボット「ペッパー」が発信しているアクションメッセージ
6月6日、ソフトバンクショップ表参道に、これまでのロボットとは異なり、人の感情を理解することができるという、人工知能を搭載した人型ロボット「ペッパー(Pepper)」が登場したことについては、先日ご報告しました。
さて、2015年2月から、19万8000万円で一般販売される予定の、人型ロボット「ペッパー」が、発信している「動きの情報」について説明します。
●13種類の「人の動き」
人の動きは「13種類の動き」に分類できます。
コミュニケーションにおいて一番大きな役割を果たしている「動作信号(アクション)」は、以下の「13種類の人の動き」によって生まれているのです。
1.一点注意の動き
2.全体注意の動き
3.不注意指示の動き
4.注意不明の動き
5.攻撃の動き
6.協調の動き
7.独断の動き
8.虚脱の動き
9.接近の動き
10.機敏の動き
11.突進の動き
12.退避の動き
13.不動の動き
(1)「ペッパー」が、両手を広げる「全体注意の動き」
この動きは、手や腕や身体を、内側から外側に大きく開く動きです。
遠くにいる人や大勢の人の注意を引き付ける動きで、派手で華やかな感じがします。
歌手が大勢のお客様に向かって舞台の上で挨拶をしたり、拍手や声援に応えるときによく使う動きです。
この動きをする「ペッパー」は、全体に注意を払うことが得意で、細かいことにはこだわらず大らかな人(ロボットですが)だというイメージを与えます。
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(2)「ペッパー」が、手や指で指し示す「一点注意の動き」
この動きは、手や指を使って、自分が向いている方向(内側)をはっきり指し示す動きです。相手や自分の注意を特定の場所やモノに引き付けるときに有効です。
この動きをすると、何を指し示しているのかがよくわかるので、説明や案内をするときには欠かせない動きです。
「一点注意の動き」をする「ペッパー」は、細かい部分を指摘したり、物事をはっきりさせたりすることが得意だというイメージを与えます。
(3)「ペッパー」が、身体を上に向かって力を抜いて動かす「協調の動き」
この動きは、腕や頭や上半身を使って、下から上に向かって力を抜く動きです。
相手に賛同し受け入れることを表現するときに使われる動きです。
またこの動きは、挨拶やお礼やお詫びやお願いをするときの「お辞儀」や、あいづちや承諾をするときの「うなずき」にも有効な動きです。
(4)「ペッパー」が前にゆっくり動く「接近の動き」
この動きは、手や身体を使って、前のに向かってゆっくり進む動きです。
積極的で前向きなことを表現する動きです。
相手に近付くのがうまく親しみを感じさせます。
そして、着実に行動する人、熱心な人というイメージを与えます。
(5)「人の動き」で分析する、「ペッパー」の動きが伝える「アクションメッセージ」
現状の「ペッパーの」動きから、「ペッパー」は、
①「全体注意の動き」
②「一点注意の動き」
③「協調の動き」
④「接近の動き」
を使って、人間でいえば、「優しくて大らかで、説明や案内が上手で、前向きな人」というイメージを獲得しています。
しかし、現在の「ペッパー」の動きには明確な特徴づけがなされていないため、上記にご紹介した5つの動きと同時に、それとは矛盾する「不注意指示の動き」や「優柔不断な動き」や「不動の動き」も行っています。
そのため、あるときには、「話が分かりにくく、あいまいで、行動的ではない人」というイメージも与えています。
「悲しんでいるときに励ましてくれたり、嬉しいときには一緒に喜んでくれたりするパーソナルロボット」を目指すためには、「ことば」と「動き」の連動についての研究開発が必要です。
やはり、人はその人らしい「動き」を主体にして、様々なコミュニケーションを行っているからです。
最後に、ペッパー君のショータイム(歌と踊り)をご覧ください。
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