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2014年5月22日 (木)

行列を計画して売る「ククルザポップコーン」の「接客コミュニケーション」

2013年9月に、シアトルのポップコーン専門店「ククルザポップコーン」が表参道に日本初上陸し、行列ができる店として連日大勢のお客様を引き付けています。
(約7か月前の2013年2月には、アメリカ・シカゴ生まれのポップコーン専門店「ギャレットポップコーンショップス原宿店」の日本第1号店が、原宿駅そばに登場し、今も行列が続く人気の店となっています。この店の記事は
こちら 

なお、日本第2号店「ククルザポップコーン・ 三井アウトレットパーク 木更津店」は、7月17日にオープン予定。

Photo  

それでは、この店が大勢のお客様を引き付ける理由について、「人の動き」という観点から分析していきましょう。 

1.この店の立地・・・・・・表参道に面した最高立地 

東京の観光スポットとして有名な「表参道」に面し、地下鉄・表参道駅と明治神宮前駅から近い場所で、見知らぬ大勢の通行客が行き交う、最高立地です。 

2.この店の扱い商品・・・・・ポップコーン 

36種類の多彩なフレーバーがあり、その中から、月替わり限定フレーバー2種類を含む10種類のポップコーンが販売されています。

今月販売されているのは、ハワイアンソルト・キャラメル、トリュフ フロマージュ・ポルチーニ、ブラックラズベリー、メープルベーコン、チェダーチーズ、シナモン・バン、メープルベーコン、クラシックキャラメルと、月替わり二種類(クッキー&クリーム、バッファロー・ブルーチーズ)の合計10種類。

Photo_3  

3.この店の店舗構造・・・・「店員空間が広い、引き込み型店」 


この店は、常時4~5人の店員が袋詰め作業ができる店員空間と、その後方にバックヤードを持つ、「店員空間が広い、引き込み型店」です。左端が、レジスターが1台設置されたレジカウンターとなっています。
 

この店の店舗構造は、かつて日本の商店街や駅ビルなどによく見られた「店員空間が狭い、引き込み型店」とは違い、はじめから4~5名の店員が作業を行うことを計画して、店員空間を広く設計しているのが大きな特徴です。 

4.この店の接客方法 

一般に、「店員空間が狭い、引き込み型店」では、お客様が店に来るや否や、買うか買わないかに関係なく、店員が接客を開始する「常連接客」が行われます。そのために、買うことが決まっていない客にとっては、店全体の「なわばり主張」が強く感じられ、気軽にはひやかすことができない店です。

この店の場合は、店員の「なわばり主張」が抑えられた「店員空間が広い、引き込み型店」の構造になっているとはいえ、入口のドアは閉じられており、しかもドアのそばには、店員がじっと立っています。

したがって、本来は典型的に入りにくい店の構造と店員のアクションだと感じられる店なのですが、行列に並んだ時点で買うことが決定しているこの店のお客様は、店舗構造も店員のアクションも全く気になりません。
お客様はこの店を、コンビニなどの店と同じような「一見接客」の店だと感じています。
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この店は、お客様に店頭で行列をしてもらい、順番に注文を聞き取って、店内に案内して販売するという、近年の繁盛店に多く見られる「第四世代の店」です。 

したがって、このタイプの店では、店舗構造や、接客方法や、それに合わせたパッケージ方法などが商品開発の時点から計画されているのです。 

●接客の手順 

(1)購入をしに来たお客様は、店舗の前の通路脇に行列をし、あらかじめメニューを手渡されて商品を選びます。
その後、店員が注文を聞き取りに来て、精算カウンターで商品と引き換えるための注文カードを受け取ります。


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(2)順番を待っている間に、注文を聞き取りに来た店員から手渡される「注文カード」。精算カウンターで、注文の商品と引き換えます。(もちろん変更や追加も可)

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(3)店内に入ってからもベルトパーテーションで仕切られた行列に並んで順番を待ちます。

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(4)常時、袋詰めをしている店員の姿と商品空間。
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(5)商品空間のアップ
 

Photo_6  

(6)窓側には、商品と特別パッケーッジ用の缶がディスプレイ
されています。

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 (7)レジスターが1台だけ設置された精算カウンターまでたどり着くと、
注文カードと引き換えに商品を受け取り、精算をして、ようやく完了します。
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5.この店の店員が提供している接客コミュニケーション 

この店の店員のアクションは、お辞儀や案内やうなづきのアクションを伴って、お客様を引きつける「接客コミュニケーション」を提供しています。 

(1)行列を誘導する店員のアクション
お客様をきちんと案内する店員のアクションは、わかりやすさや安心感を感じさせます。

※案内のアクション(
一点注意の動き
Photo_13  

(2)行列のお客様にメニューを手渡す店員のアクション
ていねいにモノ手渡す店員のアクションは、親切さ、ていねいさ、親しみやすさを感じさせます。

※手渡しアクション(
接近の動き
Photo_14  

(3)あらかじめ注文を聞き取り注文カードを手渡す店員のアクション
ていねいにモノを手渡す店員のアクションは、親切さ、ていねいさ、親しみやすさを感じさせます。

※手渡しアクション(
接近の動き
Photo_14
 

(4)入口で店内に案内をする店員のアクション
お客様をきちんと案内する店員のアクションは、わかりやすさや安心感を感じさせます。

※案内アクション(
一点注意の動き
Photo_15  

(5)袋詰め作業をする店員のアクション
キビキビと忙しく作業をする店員のアクションは、なわばり解除と活気を感じさせます。

※きびきびアクション(
機敏の動き
Photo_16  

(6)試食を勧める店員のアクション
ていねいにモノ手渡す店員のアクションは、親切さ、ていねいさ、親しみやすさを感じさせます。

※手渡しアクション(
接近の動き
Photo_14

(7)精算をする店員のアクション
ていねいにモノの受け渡しをしたり、お辞儀や案内やうなずきをするアクションは、親切さ、ていねいさ、礼儀正しさ、好意などを感じさせます。

※手渡しアクション(
接近の動き
Photo_14

※お礼のアクション(
接近の動き 協調の動き
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※うなづきアクション(
攻撃の動き
Photo_19

(8)出口でお見送りをする店員のアクション
きちんとしたお辞儀のアクションは、ていねいさや礼儀正しさを感じさせます。

※お礼の動き(
接近の動き 協調の動き
Photo_18  

以上の店員のアクションは、作業中の店員のアクションとして、店内のなわばりを解除するとともに、「接客コミュニケーション」のメッセージを発信して、店外の多くの通行客を引き付けています。 

6.この店の客のアクション
メニューを眺めながら行列をして順番を待つ大勢のお客様の姿は、強烈な「サクラパワー」を生み出して、次々と大勢の通行客を引き付けています。
 

Photo_10


7.「ククルザポップコーン」は、「第四世代の店」。
 

(1)この店は、若者のファッションの街として全国的に有名な観光スポットにあり、見知らぬ客が大勢行き交う「移動空間」に立地している。
※人はなわばりが解除された移動空間でモノを買いたくなる。
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(2)大勢の通行客が行き交う通路にお客様が「行列」をつくる。
※行列はサクラパワーを発揮して通行客を引き付ける。

(3)買うことが決定しているお客様に、接客を開始する。
※すでに買うことが決まっているお客様に対応するので、特別な接客テクニックは必要ない。
※一見接客は、お客様の匿名性を守る。
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(4)「店員空間が広い、引き込み型店」の店舗構造。
※店員の作業があらかじめ計画されている

 

以上の点において、この店は、現代人が引き付けられやすい「第四世代の店」の条件を備えた店であるといえます。 

◆関連記事
「ギャレットポップコーンショップス・原宿店」は、第四世代の店


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