72.「頑固なお客様」との相性。自分本位なお客様には、「流れ」にうまく対応する。
●「協調的な店員」が、「頑固なお客様」とうまくいく接客技術(テクニック)
〇協調的な店員(左)
「お客様のご指定の商品よりも、こちらの商品の方が、お客様にとってははるかにお買い得のように思えますが…」
〇頑固なお客様(右)
「あっそう。悪いけど私が言った方にしてください!」
今日は、「協調的な店員」の接客技術(その7)に関する話です。
もしもあなたが、あるいはあなたの上司や部下や同僚が、「協調的な店員」だとしたら、「頑固なお客様」への接客とは、どのようにするのが良いかについて考えてみてください。
「頑固なお客様」は、何事も自分自身が納得することを望むために、考え方や行動が自分本位になりやすいのが特徴です。
「頑固なお客様」があなた(店員)に質問や相談をする場合には、自分が正しいことを確認し、納得できる答えを聞きたいと思っています。従って、たとえあなた(店員)の説明が正しくても、自分が納得できない場合には、なかなか受け入れることができません。
「協調的な店員」のあなたは、「頑固なお客様」の質問や相談に関しては、お客様の話に賛同したり受け入れたりすることが得意なために、お客様を怒らせるようなことはめったにないでしょう。
ただし、「頑固なお客様」が明らかに間違った情報を信じきっている場合には、相当、苦戦を強いられるはずです。
なぜなら、「協調的な店員」であるあなた(店員)にとっては、滅多なことでは自分の考えを曲げない「頑固なお客様」に対して、ズバリと間違いを指摘して納得させることは至難の業だからです。
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「協調的な店員」のあなたは、お客様の話を全面的に受け入れたり賛同したりすることが得意なので、常に自分の意見が正しいと思っている「頑固なお客様」には大変好まれます。
ただし「頑固なお客様」が信じきっている間違いに対して、協調したり賛同したりしながら、間違いを指摘して納得してもらうことは、非常に困難であることを認識する必要があります。
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●「協調的な店員」(協調の動き)の特徴
「協調の動き」を持つ「協調的な店員」は、腕や頭や上半身を使って、下から上に向かって力を抜く動きをたくさん行うのが特徴です。
そして、相手に賛同して受け入れることを表現するのが得意な人です。
したがって、お客様から質問や相談を受けた場合は、お客様の話をよく聞き、全面的に受け入れて対応する、協調的で穏やかなイメージの人です。
●「頑固なお客様」(独断の動き)の特徴
「独断の動き」を持つ「頑固なお客様」は、腕や頭や上半身を使って、下から上に向かって力を入れる動きをたくさん行うのが特徴です。
そして、自分が納得できないことは強く反対し、自分がこうだと思ったことは絶対曲げない、ということを表現するのが得意な人です。
したがって、店員に相談したり質問したりする場合も、店員の話は全て自分本位な解釈をして聞きとるので、偉そうな態度をしているように見えます。
※13タイプの店員と13タイプのお客様はこちらでチェックできます。
●お客様は「リアル店舗」に「接客コミュニケーション」(接客技術)を求めている。
多くの現代人が「ネット店舗」に引き付けられる本当の要因は、簡単に買い物ができるという便利さだけではなく、同時に見知らぬ人との「交換行為=コミュニケーション」を体験することができるからなのです。
一方、多くのお客様を引き付けて繁盛している「リアルショップ」を観察すると、そこでは、洗練された多くの「接客コミュニケーション」(接客技術)が提供されていることがわかります。
家庭や地域社会や学校や職場における対人コミュニケーションを失った現代人は、無意識のうちに、「リアル店舗」が提供する「接客コミュニケーション」(接客技術)に引き付けられているのです。
いまや、「リアル店舗」における「接客コミュニケーション」(接客技術)は、それ自体がお客様が求める立派な商品となっているのです。
しかし、残念ながら多くの店では、このような接客ニーズの高まりにもかかわらず、十分な「接客コミュニケーション」(接客技術)が提供されていないのが現状です。
その最大の理由は、実は店員とお客様の間には、それぞれの個人の動きから生じる「相性」が存在し、その「動きの相性」こそが、「接客コミュニケーション」(接客技術)を複雑なものにしているのです。
したがって、店員が、自分とお客様の「動きの相性」を知ることができれば、お客様が「リアル店舗」に求めている「接客コミュニケーション」(接客技術)を十分に提供することができるのです。
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