56.「優柔不断なお客様」との相性。なかなか決まらないお客様には十分に迷う時間を提供する。
●「意志が強い店員」が、「優柔不断なお客様」とうまくいく接客技術(テクニック)
意志が強い店員
「責任をもってこちらをお勧めします!」
優柔不断なお客様
「こちらも良いけどあちらも良いし…」
今日は、「意志が強い店員」の接客技術(その4)に関する話です。
もしもあなたが、あるいはあなたの上司や部下や同僚が、「意志が強い店員」だとしたら、「優柔不断なお客様」への接客とは、どのようにするのが良いのかについて考えてみてください。
「優柔不断なお客様」は、いろいろ迷ってなかなか決められないのが特徴です。
そして、あなた(店員)に、何か相談をするのは、あなた(店員)から、もっと多くの情報を聞き取り、いろいろと検討することを望んでいる場合です。
したがって、「優柔不断なお客様」の相談に対しては、できるだけたくさんの商品を勧めてあげることが大切です。
ところが、多くの商品や情報が用意されればされるほど、よりいっそう迷ってしまうのが「優柔不断なお客様」の特徴です。
この時に、「意志が強い店員」のあなたが、特に注意をしなければいけないことがあります。
あなた(店員)は、なかなか決められずに迷っているお客様に接した時は、今こそ自分の出番だと思ってしまいます。
なぜならば、あなた(店員)は決定したり決断したりすることが最も得意な人だからです。
しかし、「優柔不断なお客様」は、意志が強いあなた(店員)のようなタイプの人ではありません。
あなたには受け入れにくいことかもしれませんが、「優柔不断なお客様」はすぐに決定しないで、いろいろと悩む行為が決して嫌いではありません。
むしろ、思い切って、うかつに判断して失敗するよりも、いつまでも悩んでいたいとさえ思っている人なのです。
そこで、「意志が強い店員」のあなたは、はやる気持ちを抑えて、お客様が延々と迷ったあげく、ようやく決心を下して注文の声をかけるまで、十分に悩ませてあげることが大切なのです。
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「優柔不断なお客様」は、いつも、店員からたくさんの情報を得たいと願っています。
しかも、「これだ!」という限られた情報ではなく、できるだけたくさんの情報を望んでいます。
特に「意志が強い店員」は、「優柔不断なお客様」は、決定することよりも、迷って悩むことの方がはるかに好きなのだということを、念頭に入れておくことが大切です。
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●「意志が強い店員」(攻撃の動き)の特徴
「攻撃の動き」を持つ「意志が強い店員」は、腕や頭や上半身を使って、上から下に向かって力を入れる動きをたくさん行うのが特徴です。
そして、強い自信や責任感を持ったしっかりしたタイプの人です。
したがって、お客様の質問や相談に対しては、十分に自信と責任を持って対応します。
●「優柔不断なお客様」(注意不明の動き)の特徴
「注意不明の動き」を持つ「優柔不断なお客様」は、手や指を使って、自分が向いている方向(内側)にあいまいに指し示す動きをたくさん行うのが特徴です。
そして、ものごとをはっきりさせないことが得意な人です。
したがって、店員に質問や相談をして、案内や説明を受ければ受けるほど、いろいろと気になることが増えてきて、いっそう迷ってしまいます。
※13タイプの店員と13タイプのお客様はこちらでチェックできます。
●お客様は「リアル店舗」に「接客コミュニケーション」を求めている。
多くの現代人が「ネット店舗」に引き付けられる本当の要因は、簡単に買い物ができるという便利さだけではなく、同時に見知らぬ人との「交換行為=コミュニケーション」を体験することができるからなのです。
一方、多くのお客様を引き付けて繁盛している「リアルショップ」を観察すると、そこでは、洗練された多くの「接客コミュニケーション」(接客技術)が提供されていることがわかります。
家庭や地域社会や学校や職場における対人コミュニケーションを失った現代人は、無意識のうちに、「リアル店舗」が提供する「接客コミュニケーション」(接客技術)に引き付けられているのです。
いまや、「リアル店舗」における「接客コミュニケーション」(接客技術)は、それ自体がお客様が求める立派な商品となっているのです。
しかし、残念ながら多くの店では、このような接客ニーズの高まりにもかかわらず、十分な「接客コミュニケーション」(接客技術)が提供されていないのが現状です。
その最大の理由は、実は店員とお客様の間には、それぞれの個人の動きから生じる「相性」が存在し、その「動きの相性」こそが、「接客コミュニケーション」(接客技術)を複雑なものにしているのです。
したがって、店員が、自分とお客様の「動きの相性」を知ることができれば、お客様が「リアル店舗」に求めている「接客コミュニケーション」(接客技術)を十分に提供することができるのです。
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