営業マンは客の無理なクレームに味方する
■カテゴリー「売れる営業マン売れない営業マン」シリーズの54です。
営業マンは必ずしも会社のために利益の追求を行うわけではありません。
内部(自分の会社)と外部(客)の狭間で働く営業マンは、往々にして客から好かれるために、会社を裏切った行動をとることがあります。
営業マンにかかわる人たちは、そのような営業マンの性質をよく知る必要があります。
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営業マンは客(担当者)の無理なクレームに味方する
営業マンが客(担当者)が訴える正当なクレームに対して、客(担当者)の立場に立って十二分に対応するのは当然のことです。
しかし、客(担当者)の不当なクレームに対しては毅然とした態度をとらなければなりません。
なぜならば、客(担当者)の不当なクレームに対して、いちいち対応していたのでは採算が合わないうえに、客(担当者)からの信頼も失いかねないからです。
ところが、営業マンはときとして、不当なクレームをつけた客(担当者)の味方をするあまり、自分の会社に敵対してしまうことがあります。
例えば、こんな例があります。
まだ経験不足な若い客(担当者)が無理なクレームをつけるときには、たいてい客(担当者)本人のクレームではなく、その背景に客(担当者)の上司の様々な意向が反映されています。
(1)上司が自分の立場をよくするためのスタンドプレーをしている
(2)上司が他の上司と権力争いをしている
(3)上司が自分の権力をひけらかしている
営業マンは、このような無理なクレームには対応できないことをはっきりと客(担当者)に伝えるべきなのですが、客(担当者)の状況がわかればわかるほど、現実にはなかなか断ることができません。
なぜならば、どんな無理なクレームであっても、それを突っぱねた場合には、その後、その客(担当者)を訪問しにくくなってしまうからです。
内部よりも外部の客(担当者)の会社にいる時間の方が長い営業マンにとって、自分の客(担当者)を失うことは、自分の居場所を失うことにつながります。
そのために多くの営業マンは、客(担当者)を説得したり断ったりすることがむずかしい場合には、たとえ自分の会社に損害を与えることになるとしても、ついつい客(担当者)のクレームに加担してしまうのです。
このように、客(担当者)の無理なクレームを受け入れることは会社を裏切ることになりますが、客(担当者)を大変「優位」にして自分を「劣位」にすることとなり、客(担当者)からは好かれる営業マンになることができるのです。
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