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2013年7月11日 (木)

浅草ほうずき市と仲見世の賑わいから学ぶ日本の店

入谷の「朝顔市」(7月6日~8日)が終わるとすぐに、東京・浅草寺の「ほうずき市」が始まります。
今年も、「四万六千日・しまんろくせんにち)の縁日に合わせて、江戸情緒豊かな夏の風物詩として、7
月9日~10日(毎年)の二日間開催され、猛暑にもかかわらず、大変な人で賑わいました。

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芝の愛宕(あたご)神社の縁日に始まった「四万六千日」と「ほうずき市」は、いつしか浅草寺が本家本元とされ、盛大になってきたと言われています。

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「四万六千日」とは、7月10日の“ご縁日”に観音様にお参りすると、46,000日分(一生分)のお参りをしたことに相当するという言い伝えのこと。大勢の参拝者で賑わう浅草寺正面です。

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古くは、ほおずきの実には薬効があると信じられていたこともあり、ありがたい四万六千日の日に、目にも体にもうれしいほおずきを愛でるという風習があったとされています。

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浅草寺の境内の「ほうずき市」から眺める、東京スカイツリー。
東京スカイツリーへは、雷門から吾妻橋を渡って、浅草通りを歩けば15分ほどで行ける距離です。

●「仲見世」から」学ぶ接客と店舗構造の変遷

雷門から浅草寺へと続く約250メートルの参道の両脇には、約90店の店舗が並んでいます。
帯やかんざし、手ぬぐいなどの江戸情緒あふれる商品や、人形焼き、雷おこし、手焼きせんべいといった菓子類など、東京観光のお土産にふさわしい様々な品が揃っています。

さて、外国観光客を含めて大勢の客で賑わう「仲見世」を、少し覚めた目で観察することによって、現代の繁盛店と衰退店を生み出す明確な要因が見えてきます。

日本の多くの商店街が滅んでいった背景には、
(1)
周辺の再開発などによって、通行量が大きく減少したこと
(2)車社会の商圏に競合する商業集積が登場して客が奪われたこと
(3)客を遠ざける店員のアクションを引き起こしやすい店舗構造であったこと
以上の三大要因が上げられます。

浅草の仲見世は、日本の代表的な観光地である浅草寺の参道という非常に特殊な場所に立地していたため、前を通る多くの観光客に守られて、ガラパゴス諸島のように、昔のままの形で生き延びてきたと考えることができます。

他の商店街の店は、通行量の減少とともに、移転したり閉店したり、また、店舗構造や販売方法を大きく変化させたりしましたが、仲見世は古い日本の商店街の店舗構造をそのまま今に残していると言えるでしょう。

仲見世を構成している店は、ほとんどが「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」という構造をしています。

この構造の店は本来、店員のなわばり主張が強く、「客を遠ざける店員のアクション」が引き起こされやすいというのが特徴です。
実際に現代の仲見世を観察すると、店頭や店内にじっと立ったり、早すぎる接客を開始したりして、「客を遠ざける店員のアクション」を行っていますが、それにもかかわらず、大勢の通行客が行き交う最高の立地条件によって、けっこう繁盛しているように見えます。

しかし、このような良い立地にある店でも、よく見ると、良く売れる店とそうでない店とが生じています。また、通行客が少ないときには、ほとんどの店が「入りにくく、冷やかしにくい店」となることも事実でしょう。

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多くの外国人観光客を「ワンダフル」と思わせる要因は、日本的な風情が漂う商品を販売していることに加えて、昔ながらの店の構造と売り方をしていることなのです。


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典型的な観光地の土産品店の構造と売り方。


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昔ながらの売り方と商品の店

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日本的情緒を販売する店。


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大勢の外国人観光客で賑わう仲見世。

このように、日本の古い商店街の風情を今に残す浅草の仲見世では、今でも昔のような接客方法が繰り返されています。
せっかく大勢の客が通っても、店頭や店内のなわばり解除がされていないと、客はなかなか立ち止まってくれません。
みなさんも浅草寺にお参りの節には、仲見世で繰り広げられる「客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション」を観察してみてください。



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