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2013年6月 1日 (土)

閉店セールの店には繁盛店づくりのヒントがある

長期間(三か月)の閉店セールで売り上げを三倍に伸ばした「松坂屋銀座店」の分析(5月31日)に引き続き、一般的な「閉店セール」がなぜ成功しやすいのか?またそこから学ぶ繁盛店のヒントについてご報告します。

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●閉店セールの店から繁盛店の条件を分析

閉店セールに限って、なぜか売り上げが上がるということがあります。
閉店する最大の理由は業績が悪化したことですが、「これなら閉店しなくてもよかったのでは?」と思いたくなるほど、多くの閉店セールが客でにぎわうのはいったいなぜなのでしょうか? 閉店セールにおける店の構造と接客の変化を「三空間分析」と「人の動き」から見てみることにしましょう。

(1)三空間店舗分析と客と店員のアクション分析による繁盛店の条件

私たちは、繁盛店の条件を次のように考えています。

*店舗の前を行き交う通行量が多いこと
*客を引きつける店員のアクションが常に存在していること
*客を引きつける店員のアクションを生み出しやすい店舗構造をしていること
*人気の商品を販売していること


これまで様々な店を観察してきましたが、最も大切なのは店の前の通行量で、どんなにいい店でも通行量が少ない場合はなかなか繁盛店になることができません。

しかし、せっかく通行量が多い良い立地に出店している店でも、店舗構造と、そこから生み出される店員と客のアクションが良くないと、なかなか繁盛店になることができません。

このことを踏まえて、なぜ閉店セールになると売り上げが上がるのかを考えていきたいと思います。

(2)閉店セールの店の状況

それまで売れなかった店が、閉店セールのときにはいったいどのように変化するのでしょうか?

①回遊型店舗の場合


まず、店舗構造の変化を考えていきましょう。

例えば、おしゃれなファッション店や雑貨店の場合、店頭に商品を出さず、店内の商品も少ない「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の構造が一般的です。
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しかし、閉店セールになると、在庫一掃やセール品の販売が行われるため、店頭にもたくさんの商品を置き、店内にも普段より多くの商品を並べた「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」になります。

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さらに、多くの客の精算と包装に対応するために、店員空間(専用レジカウンター)をつくることもあります。その場合、店は一挙に「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」へと変化します。
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次に、接客(店員のアクション)の変化を見てみましょう

通常は、店員空間がない店舗構造の店なので、店員は客が入店すると同時に接客を開始します。しかし、このような店員の接客は、買うか買わないかが決まっていない客にとっては大きなプレッシャーであり、「客を遠ざける店員のアクション」になってしまします。
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ところが閉店セールになると、多くの客が店内に滞留するために、店員は購入客への対応や商品の整理に追われて、従来のような接客をしなくなります。
つまり、閉店セール中の店では、「客を遠ざける店員のアクション」が少なくなり、「客を引き付ける店員のアクション」が非常に多くなります。
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そのため、たとえ「店員空間がない」構造の店であっても、客は自由に商品を見たり試したりすることができるようになります。
このことは、客の滞留時間を延ばし、結果として、まるで普段よりも多くの客が店を訪れているようなにぎわいが生じるのです。
このようなにぎわいは「さくらパワー」となって、ますます買いやすい状況を生み出します。

②ショーケース販売の場合

同様に、食品やアクセサリーなどをショーケースで売っている店は、通常、「店員空間が狭い接触型店」の構造で、客が店に近づくとすぐに店員が接客(客を遠ざけるアクション)を開始します。
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しかし、閉店セールになって大勢の客が集まることによって、店員は精算・包装作業に追われ(客を引きつけるアクション)、通常のような接客を開始できなくなります。
それはちょうど、店員と客の間に広い空間がある「店員空間が広い接触型店」のような状態です。(店員空間が広い店は、店員と客の間に距離をとることができるため、客が遠ざかりにくい構造です)
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このように考えると、閉店セールの店は繁盛店の条件をほとんど取り揃えていることがわかります。

(1)店舗構造は、

1.店員空間の広い接触型店
  (店員と客の距離がとりやすく有利)

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2.店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店
  (店頭の商品空間で客を引きつけ、セルフ販売が展開できる)

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となっています。

(2)店員のアクションは、
接客中と作業中の「客を引きつける店員のアクション」がたくさん生じます。


(3)客のアクションは、
さくらパワーによって「客を引き付ける客のアクション」が頻繁に生じます。

以上のように、閉店セールの店は、繁盛店の条件である
*店舗の前を行き交う通行量が多いこと
*客を引きつける店員のアクションが常に存在していること
*客を引きつける店員のアクションを生み出しやすい店舗構造をしていること
*人気の商品を販売していること

をとりそろえているのです。

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