話上手が接客上手というのは、間違いです。
■間違いだらけの接客方法 12
話の上手な店員(販売員)が、必ずしも接客が上手というわけではありません。
(話しかければ話しかけるほど、客を遠ざけてしまう店員)
6月14日の日経流通新聞(15面)の「マクドナルド接客日本一」や、6月17日の日経流通新聞(1面)の「カリスマ接客の科学」に登場した店員さんは、いずれも大変おしゃべりが上手だと紹介されています。
そして、そのことが売れるために大きな秘訣だと分析されています。
販売関係者の多くは、おしゃべり上手なことが売れる店員になる大切な条件だと思いがちです。
商品知識が豊富で、説明がわかりやすく、客にどんどん質問して、適切なアドバイスをすれば商品が売れるのではないかと。
そこで、接客用語や商品知識や達人店員の接客トークを中心とした接客教育がたくさん行われていますが、それは実際にはなかなかうまくいきません。
なぜうまくいかないのでしょうか?
それは、一番大切なものを見落としているからです。
皆さんもご存じの通り、コミュニケーションは言葉ではなく、言葉以外のものが大きな力を持っています。
私たち人の動き研究室は、中でも「人の動き(動作・アクション)」が一番大切だと考えています。
よく売れる店員(販売員)の中には、あまり説明が上手でなかったり、ほとんど説明しないような人もたくさん存在しています。
しかし、そういう人たちはなぜ売れるのかがわかりにくいという理由で、なかなか接客教育の表舞台には登場してきません。
おしゃべり上手であれおしゃべり下手であれ、達人店員に共通する一番の特徴は、常に自分がへりくだった態度をして、お客様を立てる動きをすることです。
ことばだけにとらわれると、このことを見失いがちですが、客が気持ちよく買い物をするためにもっとも重要なのは、店員(販売員)のおしゃべりの内容ではなく、その時の態度(動作・アクション)なのです。
おしゃべりが上手なら売れると勘違いした多くの店員(販売員)のために、客は店から遠ざけられているのです。
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