お辞儀をしない
人の動き研究室では、販売現場における店員と客のコミュニケーションを観察・分析しています。
客が店に近づいてくるまでの段階で重要なのは、「店舗構造」(客を引きつける店員のアクションが生じやすい構造)と、「店員のアクション」(なわばりを解除する店員のアクション)です。
次に、やって来た客が買い物をする段階で重要なのは、接客時に店員が行うアクションです。客が再びその店を利用するかどうかは、店員が感じのいいアクション、すなわち、感じのいい「お辞儀」「うなずき」「案内」をするかどうかで決まります。誰でも、感じのいい「お辞儀」「うなずき」「案内」によって、客の心をつかむことができます。
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今回は一般の接客には向いていない「お辞儀をしない」アクションをご紹介します。お辞儀をしないので、動画はありません。
お辞儀の動きを分析すると、
1.頭を含む上半身を前傾する動き(頭を下げる動き)
2.前傾した頭を含む上半身を元に戻す動き(頭を上げる動き)
から成り立っていることが分かります。
これら二つのアクションを1セットにして、一つの「お辞儀アクション」とします。
普通ならお辞儀をするところで、
お辞儀をしないというアクションが語るメッセージは、
1.本心がわからない
2.不信
です。
今回のアク太郎は、「あいさつ」「お礼」「お詫び」「お願い」のことばを話す場面で、お辞儀をまったくしていません。(今回は静止画です)
「お辞儀をしない」アクションからは、「本心がわからない」「不信」というアクション言語が伝わります。
■このアクションが適切な時、不適切な時
お辞儀をするべきところでお辞儀をしないアクションは、普段からコミュニケーションをする時に、ほとんど動かないという癖がある人がやりがちなアクションです。このアクションからは、「本心がわからない」「不信」というアクション言語が発信されるので、一般的な「あいさつ」「お礼」「お詫び」「お願い」の時にはお辞儀をする必要があります。
ただし、接客においても「あいさつ」や「お礼」や「お詫び」や「お願い」のことばを言いながら、お辞儀をしないケースは意外にあります。
「いらっしゃい、いらっしゃい、いらっしゃあーーい」
「さあ、見ていって、見ていってえー」
などと、店員が威勢のいい呼び込みを継続的に行うような店の場合、店員は客に向かっていちいちお辞儀をしません。
ただし、どんな業種だとしても、いざ、お客様が商品を注文し購入が決定したら、たとえどんなに角度が浅くても、何らかのお辞儀アクションを行わなければなりません。
お客様にとって、店員や係員の行動は非常に大きな問題です。感じがいいときは、無意識のうちにその店に好感を持ち、自然に来店頻度が上がりますが、感じが悪ければ、はっきりと傷つき、その店に行くことが躊躇されてしまいます。
感じの悪いお辞儀アクションもさることながら、当然お辞儀をするべきところでお辞儀をしないということは、「この店員は自分を客と思っていない」と解釈され、お客様を不愉快にさせる大きな要因になっています。
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■このお辞儀に使われた身体アクション
●不動の動き
※動きのメッセージについては13種類のアクションを参照してください。
※接客三大アクションの詳しい内容は、
アイフォン用アプリ「接客上手下手はアクションで決まる」をご覧ください。
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