感じのよいお辞儀
人の動き研究室では、販売現場における店員と客のコミュニケーションを観察・分析しています。
客が店に近づいてくるまでの段階で重要なのは、「店舗構造」(客を引きつける店員のアクションが生じやすい構造)と、店員のアクション(なわばりを解除する店員のアクション)です。
次に、やって来た客が買い物をする段階で重要なのは、接客時に店員が行うアクションです。客が再びその店を利用するかどうかは、店員が感じのいいアクション、すなわち、感じのいい「お辞儀」「うなずき」「案内」をするかどうかで決まります。誰でも、感じのいい「お辞儀」「うなずき」「案内」によって、客の心をつかむことができます。
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今回は接客の基本となる「感じのよいお辞儀」を映像ロボット・アク太郎がアクションで紹介します。
お辞儀の動きを分析すると、
1.頭を含む上半身を前傾する動き(頭を下げる動き)
2.前傾した頭を含む上半身を元に戻す動き(頭を上げる動き)
から成り立っていることが分かります。
これら二つのアクションを1セットにして、一つの「お辞儀アクション」とします。
一般に感じがいいお辞儀とは、
頭をゆっくり下げて、ゆっくり上げるお辞儀
を言います。
このお辞儀アクションが語るメッセージは、
1.きちんとして礼儀正しい
2.ていねいでやさしい
3.儀礼的でよそよそしい
以上の3つです。
まず、アクションロボット・アク太郎のお辞儀アクションを見てください。「ゆっくり下げて、ゆっくり上げる」お辞儀アクションからは、「穏やか」「協調的」「やさしい」「きちんとして礼儀正しい」というアクション言語が伝わります。
■このお辞儀が適切な時
このお辞儀は、高級な商品やサービスを提供する店では絶対に必要となります。百貨店の送迎係、高級なファッションやアクセサリー店の店員、ホテルのカウンター係、高級レストランのウエイターやウエイトレス、キャビンアテンダントなどはこのお辞儀アクションを行っています。また、冠婚葬祭の儀式に関連したサービスを提供するところでもこのお辞儀アクションを行います。
このお辞儀アクションはお辞儀の基本なので、これをマスターすることが、感じのいい人だと思われる第一歩です。
■このお辞儀が不適切な時
このお辞儀アクションは、ていねいできちんとしているだけに、状況によっては、「儀礼的」「上品すぎる」「感情がこもっていない」「冷静すぎる」などというアクション言語が伝わることがあります。
例えば、価格が安いことを訴求したい場合や威勢のいい接客が雰囲気を盛り上げる売り場にはこのお辞儀アクションはふさわしくありません。
また、コンビニやスーパーなどのようにお客様が次から次にやって来る店では、すばやい精算・接客が必要になるため、なかなか時間をかけてゆっくりお辞儀をすることができません。その場合は、お辞儀の角度を浅くし、短い動作をゆっくりすることで感じがいいお辞儀アクションができます。
※スーパーのお辞儀
忙しいスーパーなどで、深いお辞儀が不適切な時は、お辞儀の角度を浅くするとよい。
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■このお辞儀に使われた身体アクション
●接近の動き
●協調の動き
※それぞれの動きのメッセージについては13種類のアクションを参照してください。
※接客三大アクションの詳しい内容は、
アイフォン用アプリ「接客上手下手はアクションで決まる」をご覧ください。
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