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2013年4月14日 (日)

とらや(東横のれん街)

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渋谷マークシティ地下一階に移転した東横のれん街にある「とらや」は、東横のれん街の顔的存在の老舗として、のれん街入り口の右側にあります。羊羹を代表とする贈答用和菓子店として全国的に人気の高いこの店は、ここのれん街においても多くの客に利用される代表的店舗となっています。

それではこの店の、商品空間と店員空間と客空間の三空間から構成された「店舗構造」と「店員と客のアクション」を観察してみましょう。

(1)「とらや」の平面図

ショーケースの左右に店員(販売員)の出入り口があり、お客様への対応のために店員(販売員)が出入りします。
また、店員空間の左右に、奥のバックヤードに出入りするための出入り口が設計されています

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(2)「とらや」の店舗構造

この店は、「店員空間が広い接触型店」です。
「店員空間が広い接触型店」は「店員空間が狭い接触型店」に比べてはるかに有利な構造です。広い店員空間は、様々な店員の作業中のアクション(なわばり解除)が生じやすく、「なわばり主張」のアクションが生じにくくなるからです。

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(3)「とらや」の店員空間と店員のアクション

広い店員空間は、様々な作業中の店員のアクションを生み出し、「客を引きつける店員のアクション」となっています。
この店の一番の特徴は、三空間のライティング(照明)です。什器や壁面の色は黒を主体にデザインされ、店員空間全体が黒っぽく作られていて、照明もコントロールされています。そのために黒のユニフォームを着た店員の存在感が抑えられ、なわばり主張を感じさせない効果が生じています。

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(4)「とらや」の商品空間

この店を一目見て見えてくるものは、「白いのれん」と「商品空間」です。
店全体が暗く設計されているために、のれんと商品空間が明るく浮かび上がるように見えています。
店の照明は、店員空間と客空間よりも、商品空間を明るくすることが基本です。このことがクリアされたこの店の商品空間は、店員が気にならないために、店員のなわばりが解除された空間となっています。

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(5)「とらや」の客空間

この店は、のれん街の入り口にあり、通行量的には最高立地の店と言えます。従って、最初の客が店に着くと、直ぐに「サクラパワー」が生じて、冷やかしやすい状況が大変多く生じます。
客空間がない「接触型店」は、客が自ら通路に客空間を作って買い物をする構造ですが、商品空間が左右に長いこの店は、客が客空間を作りやすい構造となっています。

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この店が繁盛する背景
(1)「商品空間」のなわばりが解除されていること。
(2)客を引きつける店員のアクションが生じやすく、店員の存在感がコントロールされた「店員空間」であること。

(3)サクラパワーが生じやすい「客空間」であること。
(4)通行量の多い立地に面したこの店は、「戸板一枚の店」の性質を有していること


*以上のことから、この店が今後も多くの客を引きつけることが予測できます。

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