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2013年4月16日 (火)

仙太郎(東横のれん街)

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東横のれん街にある「直中仙太郎(ただなかせんたろう)」は、この店の奥にある厨房で、すべての和菓子を製造しています。
手づくり、無添加、できたての生菓子が信条のこの店は、連日行列ができる大人気の店です。


それではこの店の、商品空間と店員空間と客空間の三空間から構成された「店舗構造」と「店員と客のアクション」を観察してみましょう。

(1)「仙太郎」の平面図

①緑が商品空間
②空色が店員空間
③客空間は前面の通路
④赤が店員
⑤青が客

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(2)「仙太郎」の店舗構造

この店は、「店員空間が広い接触型店」です。
実際に接客をする店員空間は広くはありませんが、奥の厨房も「店員空間」だとみなして、「店員空間が広い接触型店」ということにします。

「店員空間が広い接触型店」は「店員空間が狭い接触型店」に比べてはるかに有利な構造です。
なぜならば、店員空間が広いことによって、様々な店員の作業中のアクション(なわばり解除)が生じやすく、店員がじっと立って客を待つ等のアクション(なわばり主張)が生じにくくなるからです。
特にこの店は、接客中の店員のアクションに加えて、奥の厨房で製造に追われる店員のアクションも、客を引きつける大きなパワーとなっています。

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(3)「仙太郎」の店員空間と店員のアクション

店の奥にある厨房で、忙しそうに製造に追われる店員のアクションが、接客中の店員のアクションと重なって、非常に活気のある店員空間になっています。
特に製造作業に追われる店員のアクションは、この店の製品がすべて「できたて」であるということを強く訴求して、客を引きつける強力な店員のアクションになっています。

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(接客中の店員のアクション)

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(厨房で製造中の店員のアクション)


(4)「仙太郎」の商品空間

日本の歳時や季節感を伴った、手づくり和菓子が並ぶ商品空間は、「冷やかし安全信号」がたくさん出ているために、気軽に眺めることのできる商品空間となっています。
またこの店は、「店員空間が広い接触型店」の構造をしていることから、典型的な対面販売を行う店ですが、客が少ない時間帯を除いては、ベルトパーテーションを使用して、レジに行列するセルフ販売方式の接客を行っています。
この売り方をしている間は、行列に並ばない限り接客されないので、客は店員の接客を受けることなく気軽に「商品空間」を眺めることができます。

ただし、セルフ販売方式ではなく対面販売の接客が行われているときは、さすがに商品空間を気軽には冷やかすことが多少できなくなります。

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(5)「仙太郎」の客空間

この店は、「店員空間が広い接触型店」の構造ですから、本来は「客空間」はありません。客自らが通路に「客空間」をつくって買い物をする構造の店なのです。

しかし、この店は、特に客が少ない時間帯を除いては、ベルトパーテーションを使用して、通路に臨時の客空間をつくってセルフ販売方式の接客を行います。一人の買い物客や冷やかし客でも「サクラパワー」が生じますが、行列を作った大勢の客の姿は、非常に強力な「サクラパワー」となって、店全体の「なわばり」を解除して、次々に大勢の客を引きつけてゆきます。


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この店が繁盛する背景

(1)セルフ販売方式の「商品空間」は「なわばり」が解除されていること。
(2)セルフ販売方式の接客は、客を遠ざける店員のアクションが生じないこと。

(3)行列ができる「客空間」に強力な「サクラパワー」が生じやすいこと。
(4)奥の厨房で製造作業を行う店員のアクションが、客を引きつける店員のアクションになっていること。
(5)二本の通路がぶつかる好立地に位置したこの店は、「戸板一枚の店」の性質を強くもっていること


*以上のことから、この店が今後も多くの客を引きつけることが予測できます。

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