ブーランジェリー・ラ・テール(エキュート品川)
JR品川駅の構内の駅ナカ・「エキュート品川」にある「ブーランジェリー・ラ・テール」の、「三空間店舗構造」と「店員と客のアクション」について、「人の動き」という観点から分析したいと思います。
「ブーランジェリー・ラ・テール」は、株式会社ラ・テールが運営する店です。有機栽培小麦や自家酵母などのこだわり素材を使った、人気のパン&ドーナツの専門店です。
(1)「ブーランジェリー・ラ・テール」の平面図
①緑が商品空間
②空色が店員空間
③ピンクが客空間
④赤が店員
⑤青が客
この店は、「店員空間がある、引き込み・回遊型店」と「店員空間が狭い接触型店」が合体した店の構造になっています。
「店員空間がある、引き込み・回遊型店」ではパンを、そして「店員空間が狭い接触型店」ではドーナツを販売しています。
(3)「ブーランジェリー・ラ・テール」の店員空間と店員のアクション
パンを販売しているコーナーは、セルフ販売になっていますので、店員は奥の精算カウンター(店員空間)で、接客を行っています。
精算カウンターで、精算・包装作業に追われる店員と、商品の補充や整理を行う店員のアクションはいずれも「客を引きつける店員のアクション」になっています。
また、ドーナツを販売しているコーナーは、対面販売を行っています。通常の「店員空間の狭い接触型店」の場合は、客が誰もついていないときは、店員の「なわばり主張」を感じますが、この店の場合は、セルフ販売を行う店と併設された設計になっているために、ほとんどなわばり主張を感じさせません。そして、客が一人でもつくや否や「サクラパワー」が生じて、一層冷やかしやすい「商品空間」になります。
(対面販売を行う店員も、セルフ販売を行う店員も何らかの作業中のアクションをおこなっています)
(対面販売の客に精算接客をする店員と、店の中のセルフ販売の客に精算接客する両方の店員のアクションが見られる店です)
(対面販売を行うコーナーの店員のアクションと、セルフ販売を行う中の店員のアクションが、この店に強い活気を生み出しています。
(4)「ブーランジェリー・ラ・テール」の商品空間
(セルフ販売のコーナーの商品空間)
(対面販売のコーナーの商品空間)
(5)「ブーランジェリー・ラ・テール」の客空間
店内の「客空間」で回遊したり精算したりする客の姿は、「サクラパワー」を生み出して、一層この店を入りやすくしています。
セルフ販売コーナーの客の姿は、表の対面販売の店の「客空間」(通路)のなわばりをも解除する働きになっています。
従って、対面販売のコーナーの「サクラパワー」と、セルフ販売のコーナーの「サクラパワー」が同時に生じて、この店が非常に活気のある店となっているのです。
(セルフ販売のコーナーで生じている「サクラパワー」)
(対面販売のコーナーで生じている「サクラパワー」)
(店の外から、「商品空間」を眺める客の様子)
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(6)この店が客を引きつけるとき、客を遠ざけるとき
(1)この店は、「店員空間の狭い接触型店」と、「店員空間がある、引き込み・回遊型店」の二つの構造の店が合体して設計された珍しい店舗です。
どちらかの店に客がつくか、回遊するだけで、両方の店のための「サクラパワー」を生み出して、通行客を引きつける役割を果たしています。
(2)対面販売の店員が接客中か作業中のアクションを行うことによって生じる「客を引きつける店員のアクション」は、小さな奥のセルフ販売の店にとっても「客を引きつける店員のアクション」となっています。
(3)「店員空間」の狭い店での対面販売は、「客を遠ざける店員のアクション」が生じやすいものですが、この店の場合は、お互いの店員のアクションがお互いを助け合う形で働くために、「客を遠ざける店員のアクション」は、ほとんど生じておりません。
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