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2013年1月16日 (水)

大人気!セルフで買える「JINSメガネ」

パソコン用度なしメガネ「JINS PC」で一躍有名になった「JINSメガネ」は、2001年に登場して以来、2012年9月2日時点で全国に163店舗を展開するという大躍進をとげ、今後、ますますの成長が期待されています。さらに、「JINSメガネ」は1店舗当たりの売り上げも他のメガネ店よりも圧倒的に高いと言われています。
その秘密はいったいどこにあるのでしょうか? さっそく、この店の人気の秘密を、店舗構造と店員のアクションから分析してみましょう。

今回は、「JINSメガネ・新宿ミロード店」を観察します。
外観写真を見ただけでは、他のメガネ店と比べて特に特徴もなさそうですが、実はこの店はメガネ店としては非常に変わった店なのです。

Jinz_lumine2_2

1.この店の立地・・・・・・エスカレーター近くの好立地

小田急電鉄・新宿駅
の「新宿ミロード」の6階にあり、のぼりエスカレーターを降りるとよく見える好立地です。

2.この店の扱い商品・・・・・メガネ、サングラス、ファッション雑貨

大ヒット商品のパソコン用メガネ「JINS PC」やそのほか様々な機能を持ったメガネ及び一般的な視力矯正用のメガネを販売しています。視力矯正用の商品の価格帯は、フレームとレンズ一式で4990円、5990円、7990円、9990円と、非常に低価格になっています。

3.この店の店舗構造・・・・店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店

この店は、従来、メガネ店としてはほとんど考えられなかった、完全な「セルフサービス方式」を採用しています。

Jins_mirod_heimenzu_2

すなわち、この店の最大の特徴は、
①様々な相談や検眼が必要なメガネを
②完全なセルフサービス方式で販売している

ということなのです。

セルフ販売方式であることもまた、商品を低価格で販売できる理由の一つと考えられますが、これまでは、メガネのようなオーダーメードの商品をセルフサービスで販売するということはほとんど考えられませんでした。それではこの店はいったいどうやってメガネのセルフ販売を可能にしているのでしょうか?

この店には次のような3つのカウンターがあります。
①受付/
視力測定カウンター
   (視力測定の受付をする)
②お会計カウンター
   (精算をする)
③お渡しカウンター
   (出来上がった商品を手渡す)




4.客がこの店で購入するまでの流れ

この店の店頭や店内には、かなりの人数の客がいます。これらの客の大部分は、自分が買いたいメガネやフレームを探して店内を回遊し、陳列してあるメガネのフレームを自由に手にとって試しています。

Jins1

「JINZ PC」など機能付きメガネで、度の入らないものを買う客は、パッケージされた商品を持って会計に行き、精算します。これは、コンビニでモノを買うのとまったく変わりありません。

↓度のないメガネのコーナー。
Jins3

この店のメガネフレームのディスプレイは、並べ方なども統一されています。
一つ一つのメガネは四角い仕切りの中に収められています。メガネを試した客は、使用後、再びメガネを元の仕切りの中に戻すので、陳列が乱れにくく、店員(販売員)の手間が少なくなるように工夫されています。
Jins8

Photo_8


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度付きのメガネを購入する場合、フレームが決まったら「①受付/視力測定」に行きます。
受付のあたりに行くと、店員(販売員)が「検眼をご希望でしょうか?」などといって、申込書を渡して名前などの記入を求めます。すでに持っているメガネと同じ度数のものをつくる場合は、検眼の必要はなく、しばらく待っていると、メガネの内容が確認され、「②お会計」に進みます。

↓手前が「①受付/視力測定」のカウンター。
  後ろに「②お会計」と「③お渡し」カウンターが見える。

Jins2

検眼が必要な場合は、店の奥にある検眼コーナーで検眼を受けます。
下の写真で、右側のソファーに座っているのは、検眼を待っている客です。
Jins4

検眼が終わると、左のカウンターで、つくるメガネの内容を確認します。内容に間違いがなければ、次に「②お会計」に進みます。

Jins5

支払いが終わると、メガネができあがる予定時間が教えられます。
店の奥左側のベンチに座っているのは、受取を待っている客です。

Jins6

順番が来ると「③お渡し」カウンターで店員(販売)がメガネの微調整を行い、包装して渡してくれます。
以上で、メガネの購入は無事に終了です。

5.この店の店員(販売員)と客のアクション

(1)この店の店員(販売員)のアクション
この店の店員(販売員)のアクションを見てみましょう。
もう一度、平面図を見てください。

Jins_mirod_heimenzu_3

この店はセルフサービス方式を採用しているので、店内の店員(販売員)は、基本的に、コンビニやスーパーの店員(販売員)と同じように、客が受付または会計のレジに来ない限り店員(販売員)は接客をしません。店員(販売員)は質問をしてくる客と買うことを決めた客に対してだけ接客を行っているのです。
従って、この店の店員のアクションはカウンターでの接客中のアクションと、店内を回遊して商品の補充や陳列の整理を行う作業中のアクションに限られます。いずれも客を引きつける典型的なアクションです。

(2)この店の客のアクション
この店の客のアクションを見てみましょう。
平面図の青いマークは客の存在を表しています。店内外に作られた客空間のいたるところに、客が回遊していることが分かります。大勢の客が店内を気軽に回遊し自由に商品を試す姿(アクション)は、通行客を引きつける強力な「サクラパワー」を生み出しています。
通路に面した商品空間を眺めたり店内の商品を試したりする客のアクションによって、この店は常に「サクラパワー」が途絶えない店となっています。

●「JINSメガネ」は「第四世代の店」の条件を備えた店

第四世代の店は、見知らぬ客が大勢行き交う「移動空間」に立地して、「第四世代の店の構造」をして、「一見接客」を行うことによって多くの客を引きつけています。
「JINSメガネ」も、「移動中に買い物がしたくなる」という人間の基本的な性質を背景にした、「移動客」を対象にした店なのです。


Photo_5

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