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2012年10月10日 (水)

東京おかし(お菓子)ランドで行列が一番長いのは? 

「ぐりこ・やKitchen」「森永のおかしなおかし屋さん」「Calbee+」の店舗と接客

国の重要文化財にも指定されている東京駅の丸の内駅舎が、5年の歳月をかけて、建築当時のおよそ百年前の姿でよみがえり、この10月1日にリニューアルオープンしました。
その影響で、東京駅一番街にある「東京おかし(お菓子)ランド」が東京の新名所としてますます人気を集めています。

ここには、

1.「カルビープラス(カルビー)
2.ぐりこ・やKitchen(江崎グリコ)
3.森永のおかしなおかし屋さん(森永製菓)

の3店舗に加えて、

4.期間限定ショップ
が出店しています。

「東京おかし(お菓子)ランド」は、店内のキッチンで作った出来たておかしや全国の地域限定商品に加えて、ここでしか買えない商品もラインナップされているということで、多くの客が訪れています。さっそく、店舗構造と店員(販売員)のアクションを分析してみましょう。

東京おかし(お菓子)ランドの立地・・・・・・日本最大の「移動空間」
東京おかし(お菓子)ランドは、
 ◆JR在来線から、
 東京駅八重洲地下中央口改札を出てすぐ。
 東京駅八重洲中央口改札を出て、最寄りの階段を下りてすぐ。
 ◆JR東海道・山陽新幹線から、
 東京駅八重洲中央南口改札を出て、最寄りの階段を下りてすぐ。
という非常に良い立地にあります。
ここに出店している4店舗の条件を細かく見てみると、立地的には、やはり東京おかし(お菓子)ランドの正面側の広い通路に面している「カルビープラス」と「期間限定ショップ」が有利で、次に八重洲地下街に続く通路に面している「ぐりこ・や」、最後が通路に面していない「森永」と言えるでしょう。
ここでは、「期間限定ショップ」を除いた3店舗の店舗構造と接客アクションを観察します。

 

Okasirand_heimenzu

(1)カルビープラス

東京おかし(お菓子)ランドの中で、ちょっと見ただけでも一番客が多いと感じられるのが、この「カルビープラス」です。その秘密を分析してみましょう。

Calbee1

1.この店の立地・・・・・・非常に好立地
八重洲地下中央改札に向かう広い通りに面した、大変良い立地です。

 

2.この店の扱い商品・・・・・・実演商品とオリジナル商品
実演販売は、揚げたてのポテトチップスや揚げたてのポテりこ、コロッケ、ソフトクリーム、ソフトドリンクなどで、購入した客はすぐに客席スペースで食べます。ここでしか食べられない商品も多く、このような実演販売は商品パワーが強いと考えられます。
物販は、カルビーの様々な商品で、ご当地もので地方でしか買えない商品や、キャラクターグッズなどもそろっています。

 

3.この店の構造・・・・店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店
この店は、実演販売を行っている実演コーナーの部分と、セルフ販売コーナーの部分が合わさった店です。
行列は圧倒的に、実演コーナーにできています。この店の実演コーナーは通路寄りにあるために、客は店内から外にあふれて、店の前の通路に蛇行して行列をつくります。

Calbee_heimenzu

4.この店の店員(販売員)と客のアクション・・・・接客中・作業中の店員のアクションと、回遊や、行列をつくる客のアクション
この店は完全なセルフ販売方式です。
実演売り場の店員(販売員)は、商品の製造・包装・精算の作業に追われています。また、表にできる客の整理をするのも店員(販売員)の大きな仕事です。

Calbee3
↑店の外に用意されたベルトパーテーション。
長い行列ができることが分かる。

一方、物販売り場の店員(販売員)は、客空間に出た時には、商品の補充・整理を行い、客が商品をレジカウンターに持ってきた時だけ、精算と包装を行います。

Calbee4_2 
↑店内から物販専用のレジを見たところ。

つまり、この店では、商品パワーが強い商品を販売して客を引き付け、店員(販売員)が客を遠ざけるアクションを行うことがほとんどなく、さらに店の外にまで伸びる行列がサクラパワーを発揮するという力で、さらに多くの客を引き付けています。


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 (2)ぐりこ・やKitchen

次に、東京おかし(お菓子)ランドの左奥に位置する「ぐりこ・やKitchen」を見てみましょう。

Glicoya1

1.この店の立地・・・・・・非常に好立地
八重洲地街の通路に面した、大変良い立地です。

Okasirand_heimenzu_2

2.この店の扱い商品・・・・・・実演商品とオリジナル商品
この店では、店内の設備でロースト&味つけしたアーモンド、そしてそれを使ったアーモンドチョコレートなど、作りたてのお菓子を販売しています。これらのお菓子をつくる過程はガラス越しに見ることができ、つくりたてのお菓子の試食コーナーは大変人気があります。その場で食べるカルビープラスの商品に次いで、強い商品パワーを持っていると考えられます。

 

3.この店の構造・・・店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店
この店は「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」で、セルフ販売方式が導入されています。(ケースの一部で対面型の販売を行うことがあります)

Glicoya_heimenzu

4.この店の店員(販売員)と客のアクション・・・・接客中・作業中の店員(販売員)のアクションと、試食や回遊や、行列をつくる客のアクション
この店もセルフ販売方式なので、店員(販売員)は客が商品をレジに持ってきた時にしか接客をしません。

Glicoya2
↑店内のセルフ販売用のレジカウンター。
先頭を示す表示とベルトパーテーションがあり、
混雑時には行列ができる。


さらに、実演コーナーがあり、そこ行われる様々な作業は店員(販売員)が行うなわばり解除のアクションとして非常に有効です。

Glicoya6
↑左側が実演コーナー。
店員(販売員)の作業中のアクションは
なわばり解除の役割を果たしている。

また、自由に店内を回遊して商品を選んだり試食コーナーで試食をしたりする客の姿は、サクラパワーとなって次の客を強く引き付けます。

Glicoya4
↑試食コーナーは大人気。

Glicoya3
↑店内を清掃したり、商品を補充したり
整理したりする店員(販売員)のアクションも
なわばり解除のアクションとして有効。

この店は、店内に実演場を設けることによって商品パワーを強め、自由に試食ができるセルフ販売方式の売り場をつくることによって多くの客を引き付け、さらにレジの行列を利用したサクラパワーを生かして、いっそう多くの客を引き付けています。


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(3)森永のおかしなおかし屋さん

 

続いて、右の奥に位置する「森永のおかしなおかし屋さん」を見てみましょう。
Morinaga1

1.この店の立地・・・・・・好立地だが、他の2店よりはやや劣る。
この東京お菓子ランド自体は大変良い立地ですが、表の通路に面していない分、この店の立地は他の2店よりもやや劣ると言えます。

Okasirand_heimenzu_3

Morinaga3
↑店頭の様子。店の前を通る客数は限定される
ため、他の2店より少なくなる。

2.この店の扱い商品・・・・・・オリジナル商品
この店は物販専門で、ここの店だけでしか買えないオリジナル商品など、ユニークなものを扱っています。また、この店には実演や実演販売はありません。観光地のような環境にあるこの店の場合、その場で食べられる商品がないことは、他店に比べてやや商品パワーが低くなると考えられます。

 

3.この店の構造・・・・・・店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店
この店は「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」で、完全なセルフ販売方式が採用されています。


Morinaga_heimenzu

4.この店の店員(販売員)と客のアクション・・・・接客中・作業中の店員(販売員)のアクションと、回遊や、行列をつくる客のアクション
この店はセルフ販売方式なので、店員(販売員)は客が商品をレジに持ってきた時にしか接客をしません。つまり、客を遠ざけるアクションはほとんど存在しません。この店が一番パワーを発揮するのは、レジカウンターに多くの客が集まり、サクラパワーが生じる時です。

Morinaga2
↑レジカウンター部分


この店で問題点をあげるとすると、実演を行わないことで商品パワーが上がりにくいこと。また、「カルビープラス」と「ぐりこや」が実演を行うことで、常に作業中の店員(販売員)のアクションが行われるのに対して、この店の場合は、店員(販売員)のアクションが乏しくなり、客が少なくなると、客を引き付ける力が落ちやすくなることです。
しかし、店にはそれぞれの事情があり、必ずしも実演を行うことがいいとも限りません。実演には、実演のための商品開発、厨房などの設備、実演専門のスタッフと販売スタッフなど様々なものが必要になり、労力の割に利益がでないこともあります。この店のように、商品を物販だけに絞ることによって、少ない店員(販売員)で店を効率的に運営することができるということも考えられます。

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●東京おかしランドは「第四世代の店」の条件を備えた店

第四世代の店は、見知らぬ客が大勢行き交う「移動空間」に立地して、「第四世代の店の構造」をして、「一見接客」を行うことによって多くの客を引きつけています。
「東京おかしランド」も、「移動中に買い物がしたくなる」という人間の基本的な性質を背景にした、「移動客」を対象にした店なのです。

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