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2012年9月 5日 (水)

2.なわばり感覚がはたらく「戸板一枚の店」 その1

この記事は
1.「人の動き」の観点から見た売れる店と売れない店
の続きです。

(1)現代人にもある「なわばり感覚」

 

動物になわばりがあるように、人間にもなわばりが存在しています。
現代人にもこの「なわばり感覚」は生きていて、例えば、新幹線の座席の真ん中の手すりをどちらが使うかが非常に気になったり、隣の席の同僚が自分の机の方にまで書類を押し出してくると不快に感じたりするのは「なわばり感覚」の影響です。

ところで、この「なわばり感覚」は「店」にとって非常に重要なものです。
なぜなら、客が店に入りにくい最大の原因は、店員が自分のなわばりを守ろうとするところから生じているからなのです。
販売関係者の多くは、「店の主役はお客様」だと思い込んでいるため、なかなかそのことに気づきませんが、実際にその構造を眺めてみると、
店は店員(販売員)のなわばり以外の何ものでもありません。
なわばりの先住者である店員(販売員)は、店を見回り、管理し、守っています。

その店(なわばり)に侵入してくるのが、外部から来た客なのですから、
客の立場は非常に弱いということがわかります。
客はそっと様子をうかがい、店員(販売員)が攻撃してこないことがわかれば、店(店員のなわばり)に近づいていきますが、店員(販売員)が攻撃態勢をとっていたり、攻撃をしかけてきたりするとなかなか近づくことができません。

みなさん、もう、おわかりでしょうか?
もしも、あなたの店の店員(販売員)が、客が店(店員のなわばり)に入って来ないようにしっかりとガードを固めていたら、当然、業績はあがりません。
店員(販売員)が「この店は自分のなわばりだから入って来るな!」
と客にアピールする行為を「なわばり主張」と呼ぶことにします。

一方、店員(販売員)が「この店は自分のなわばりではありません。どうぞ自由に入って下さい」と客にアピールする行為を「なわばり解除」と呼ぶことにします。

つまり、売れる店をつくるためには、店員(販売員)が常に「なわばり解除」していることが非常に大切なのです。
どうすれば、「なわばり主張」になり、どうすれば「なわばり解除」をすることができるのかについては後述します。



(2)店は「外部」と「内部」を結ぶ特別な空間

さて、もう一つ、見方を変えてみると、店は「外部」と「内部」を結ぶ特別な空間、すなわち、境界であると考えることができます。
「店」の起源は「市」ですが、「市」とはもともと、山と里、陸と海などの異なる共同体同士が接するところで生じ、様々な品物が交換されてきました。
初期の市は、生活必需品を手に入れる場所ではなく、余剰品を交換しながら見知らぬ人とのコミュニケーションを楽しむ場だったと言われています。


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現代でも、リアルショップ(店)での買い物は私達の気分を高揚させてくれます。
それは私達が店に行くと擬似的な「境界」を感じ、そこで、スリルのある見知らぬ人とのコミュニケーションを楽しむことができるからだと考えられます。
このように、リアルショップ(店)の楽しみは、単に商品を手に入れるだけでなく、見知らぬ人(店員)と客とのコミュニケーションにあるので、今後、ますますウェッブサイトなどが発展しても、なくなることはないと思われます。

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