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2008年7月

2008年7月31日 (木)

(2)東京ミッドタウン GALLERIA(ガレリア)

2007年にオープンした六本木のもう一つの新名所が東京ミッドタウンです。

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ミッドタウンのショッピングエリア「ガレリア」は、全長約150m、高さ約25m、四層の吹き抜けを中心に、周囲に店が並ぶ構造です。

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一般にガレリア(吹き抜け)のある商業施設は店の前の通行量が少なくなりがちですが、東京ミッドタウンの場合は店の前の通路の幅が広く、多くの客が歩きやすい構造になっています。「ガレリア」のガレリアは、成功したガレリアといえます。

ここには、高級ブティックなどに見られる「店員空間がない、引き込み・回遊型店」のほかに、ファッション雑貨を中心とした「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」や、貴金属・化粧品及び食品などの「店員空間が狭い(あるいは広い)接触型店」、さらには「店員空間がある、引き込み・回遊型店」の典型的な例であるスーパーマーケットなど、多彩な店舗構造の店が入り混じっています。そのことが、この商業集積全体を変化に富み、様々な客層を引き付けやすいものにしています。

下の写真は、高級ブティックを中心とした「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
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下の写真は、ファッション雑貨を中心とした「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
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下の写真は、化粧品を販売する「引き込み型店」
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下の店は貴金属を販売する「接触型店」
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下の写真は、B1の食品フロアにある「店員空間がやや広い接触型店」
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下の写真は、同じくB1にある24時間営業のスーパーマーケットで、「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
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東京ミッドタウンの「ガレリア」は、様々な業種と様々な構造の店をうまく混在させることによって、客層が広がり、幅広い年齢層が楽しめるショッピングエリアとなっています。

 洗練されたデザインのショッピングセンターというイメージを持ちながらも、店舗本来の構造とその構造から生み出されやすい販売員のアクションによって、多くの客を引き付けているのです。

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2008年7月30日 (水)

2008年・渋谷駅地下鉄副都心線開通

2008614日、地下鉄副都心線の開通に伴って、従来の渋谷駅の近くの地下に、新しい地下鉄ターミナルが登場しました。

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長さ約80m、幅24mの長楕円球の形をした「地宙船」と呼ばれる駅空間が設計され話題を呼んでいます。

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この駅空間には巨大な吹き抜けが設けられ、外部からの空気を取り入れ、また、地下の列車から排出される熱い空気を外部に排出することにより、自然換気が行われる工夫がなされています。

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この未来型ターミナル空間が新しい交通インフラとなって、渋谷の街に新しい客を送り出し、近い将来、渋谷の街が新しく生まれ変わることが予想されます。

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新しいターミナルにふさわしいホームの売店も登場しています。従来までの「販売員空間が狭い接触型デザインの店」から、工夫されたセルフ販売方式の店に変化しています。従来までの店よりもはるかに買いやすく、販売員にとっても売りやすい店になっています。

渋谷の街の売れる店をレポートするにあたって、新しく生まれた渋谷駅をご紹介します。

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2008年7月29日 (火)

(1)六本木ヒルズ ウェストウォーク

六本木ヒルズのウェストウォークは、六本木ヒルズのシンボル、森タワー内のエリアで、4層吹き抜けのガレリア空間を含む、ファッション、こだわり雑貨、グルメなどを集めた商業空間です。五周年を迎え、大幅な店舗の入れ替えに伴うリニューアルが行われ、新たな顔で顧客の動員を図っています。
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ウェストウォークは、開店当初、それまでの日本にはない斬新なガレリア空間を伴った、新奇性の強いショッピングエリアとして話題を集めました。しかし、おしゃれな癒しの空間は提供したものの、建物の構造上、密集したショッピングエリアがつくれず、残念ながら商業空間としての魅力が少ない空間となってしまいました。

※下の写真は吹抜けの間をつなぐ橋。吹抜けのある構造は、店の前の通行量が少なくなりやすい。
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※下の写真は吹抜けに面した飲食店の入り口。
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ウェストウォークは基本的に「店員空間がない、引き込み・回遊型型店」で構成されており、小規模の店の場合は来店客に対して早すぎる接客が開始されやすい店に、また、大規模の店の場合は、客が身構えて店内に入ったり、販売員の視線を気にしながら回遊したりしなければならない店になっています。

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つまり、買う気がある客でなければ入りにくい店の構造と接客方法が採用されているために、買うか買わないかに関係なく気軽に店内を回遊することはむずかしく、結果として新規顧客を取り込みにくい店になっているのです。

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2008年7月26日 (土)

「竹下通り」「裏原宿」「表参道」の、客層も売り方も店舗構造も違う人気スポットの売れる店を現場からレポート。

「竹下通り」「裏原宿」「表参道」の、客層も売り方も店舗構造も違う人気スポットの売れる店を現場からレポートします。原宿に来る人なら誰でも、そこには三つの異なった顔があることを知っています。

中高生を中心とした若者の街「竹下通り」
おしゃれにうるさい若者がつくり出した「裏原宿」
大人が満足できる高級ブランドが集う「表参道」

これら三つのスポットは、一般に、客層と扱い商品が異なると思われていますが、実際には店の三空間設計と、そこで繰り広げられる店員(販売員)の接客にも大きな違いがあります。そこで、ここでは三つのスポットの店舗構造の違いと店員(販売員)のアクションの違いを観察してみましょう。

(1)竹下通り
夏休みの開始と共に、竹下通りには中高生らしき私服の若者がたくさん訪れています。しかし、副都心線の開通と同時に、原宿は行きやすい場所になり、若者に限らず様々な年代の人々が竹下通りという観光スポットに遊びに来ています。ここは昔から、「接触型店」と「接触・引き込み・回遊型店」が多く集まってきました。これらは、通行客が道を歩きながら、商品を見ることができる店で、祭りのようなにぎやかさを感じさせます。
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「接触型店」は、祭りや市の店のなごりの構造を持っているので、そのことが竹下通り全体の祭りや市のイメージ盛り上げるのです。祭りや市に立つ店での店員(販売員)の接客方法は、一様に元気のよい大声を出して威勢のよい接客をしますが、ここ竹下通りの店の店員(販売員)のアクションにもそれが見られます。作業中や接客中など、絶えずじっとしないで動きのある接客を行っています。
今も竹下通りに多くの中高生が集まってくるのは、商品や価格もさることながら、店の構造と販売員のアクションが、彼らにとって非常に近づきやすいものだからなのです。
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(2)裏原宿
元は竹下通りにあった店が、竹下通りの観光地化や低年齢化を避けて、原宿の裏通りへ移転して行ったのが始まりと言われています。
竹下通りの店が通路に沿って商品をたくさん陳列しているのに対して、裏原宿の多くの店は、店頭のドアを閉めるか、店頭にほんの少しだけ商品を飾った店で構成されています。つまり、裏原宿は店内に入って商品を見るタイプの店である「引き込み・回遊型店」で構成された街なのです。
一般に、ファッション店などは「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の構造をとることが多く、そういう店では客が店内に入るやいなや店員(販売員)が接客を開始するのが普通です。
しかし、この裏原宿の店では、客が店内に入っても、すぐに接客が開始されることはありません。ここでは、外から見ると非常に入りにくい店でありながら、いったん中に入ると自由に店内を回遊できる空間を提供するという、非常に特殊な店舗構造と接客方法が行われています。それは、商売というよりも「自分が気に入ったモノを他人に見せたい」という、それぞれの店のオーナーたちのスタイリッシュな生き方や文化を反映したものだと考えられます。
しかし、最近では、店頭に多くの商品を飾ることで入りやすいイメージにした店や、店内に入ると店員(販売員)が接客してきたりする、いわゆる「一般的な」店も増えてきています。それにともない、最先端のファッションを提供しようとする店は場所を移動していくという、店の入れ替わりが生じています。
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※裏原宿の店は通行客の少ない通りへと日々移動し、人気スポットも短い期間で変化する。
狭い裏原宿の中で、人の流れは日々変化している。

おしゃれな若者を中心に、独自の空間を生み出してきた裏原宿ですが、副都心線の開通に伴い、今後は原宿を訪れる客が増加し、年齢層や好みが一般化するにつれて、街の様相は次第に変化していくでしょう。


(3)表参道
昔から、竹下通りに対して大人の街というイメージが強かったのが表参道です。
かつてはデザイナーブランドを中心とした小規模な「引き込み・回遊型店」が多くありましたが、2002年にルイ・ヴィトンが大型店を出店したのをきっかけに、大型ブランド店がどんどん出店するようになりました。
それらの店は「販売員空間がない、引き込み・回遊型店」で、客が店内に入るとすぐに、店員(販売員)が接客を開始し、買い物のお手伝いをするのが一般的です。いわゆる高級店なので、店員(販売員)がきめ細かく対応することがサービスと考えられているためです。そうした中で、特に規模も大きく、客の人気が高かったルイ・ヴィトンは、入店客数が多いことから、あまり接客を受けずに店内を回遊できるという状況が続きました。他のブランドショップが、冷やかしに入るにしては敷居が高いと感じられた頃に、ルイ・ヴィトンは気軽に商品が見られる店として、多くの客を引き付けました。
現在では、表参道以外にも多くの店があるせいか、一時ほどの集客はなくなり、それにともなって、この店だけが前ほど誰でもが入りやすいというイメージではなくなりました。
6月の副都心線の開通に伴い、幅広い年齢層の客が原宿を訪れています。
そのことによって、原宿エリアの三つのショッピングゾーンが、それぞれどのような変化を遂げていくのかは大変興味深いところです。これからの原宿の変化を、どんどんレポートしていきたいと思います。

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●ルイ・ヴィトンの向かい側にある「表参道ヒルズ」
大変おしゃれなこの店が、お店としての魅力に欠ける原因は、それぞれの店の構造にあります。店でもっとも大きな役割を果たすのは、店員(販売員)の生み出すアクションです。
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ほとんどの店は、「店員空間が狭い引き込み型店」と「店員空間がない(機能しない)引き込み・回遊型店」で構成されています。
これらの店からは、客を遠ざける店員のアクションが生じやすくなっています。客は一瞬の見た目で、店や店員(販売員)を判断して、店に引き付けられたり遠ざけられたりしているのです。

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