2018年11月12日 (月)

人の動きでわかる店舗診断 第10回 商品と売り方に合った店舗構造が買いやすい店をつくる

人の動きでわかる店舗診断

第10回 繁盛店をつくるための店舗構造の選び方


●商品と売り方に合った店舗構造が買いやすい店をつくる


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これまで9回に渡って様々な店の成功例と失敗例をご紹介してきましたが、その背景にあるのは「商品空間」、「店員空間」、「客空間」の配置の仕方、すなわち8種類の「店舗構造」(上図参照)です。

これらの構造は全国の様々な店を観察・分析して分類したものですが、この図を見ても、「店」はそもそも店員の「なわばり」であり、店員は商品を見張る存在であることがおわかりいただけると思います。

そこで、「店」にお客様を引きつけるためには、店員の「なわばり」が解除された状態をつくり、それを持続させることが重要になります。

そのためには、扱い商品の種類、商品量、商品の大きさ、価格、立地、規模、販売方法などに合った店舗構造を上記の8種類の中から選ぶことが必要です。

なぜなら、これら8種類の店はそれぞれ意味があって、今日まで生き残って来たからです。

もしも、通行量が多い場所で、種類が少なくサイズが小さく値段が安い商品(和洋菓子など)を販売する場合には①が最適です。

①は「店」の原型である、「戸板一枚(約90㎝×180㎝)の店」の構造に近く、お客様にとって理解しやすいの商品空間を提供することができるからです。

通行量が多いこと、商品空間が通路に接していること、商品の内容がわかりやすく買う物をすぐに決定できることなどから、お客様が店頭に立ち止まりやすくなり、いったんお客様が店頭に立ち止まると、客が客を呼ぶサクラパワーが生じて次々と新しいお客様を引きつけることができます。

一方、商品の種類や量が多く、規模が大きい店(ファッション店・雑貨店)などは、⑤や⑦の構造を選択することになります。

このタイプの店では店員が客空間に出ているため「なわばり主張」をしやすいという問題点があります。

そのため高い接客技術が要求されるのですが、近年、駅ナカ・駅ソトで人気があるのは意外にもこのタイプの店で、お客様が店員とのかけひきを楽しめるリアルショップならではの強い魅力を持っていることが大きな理由だと考えられます。

また、商品量が多くて、買い物をする時に店員の説明や接客を必要としない商品なら、⑥や⑧のような「店員空間がある」店舗構造を選んで、セルフ販売を行うのが普通です。

典型的な例は、スーパーやコンビニエンスストアです。

接客はレジ作業が中心となり、店員の「なわばり主張」は少ない店ですが、リアルショップとしての醍醐味には少し欠ける面があります。

このように店舗構造とその特徴を理解することは、「なわばり」を主張しやすい「店」をつくる失敗を防ぎ、お客様にとって買いやすく店員にとって売りやすい店をつくるための大きな手掛かりになるのです。

(この本文とイラストは月刊誌「企業診断」〈同友館〉に2017年に連載したものです)


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